小倉大賞典・G3(4歳上オープン、小倉・芝1800メートル)が21日に行われる。2月28日で騎手を引退し、調教師に転身する蛯名正義(51)=美浦・フリー=が、デンコウアンジュ(牝8歳、栗東・荒川義之厩舎)と19年3月の中山牝馬S(4着)以来のコンビで、重賞取りに挑む。蛯名騎手は「チャンスのある馬に乗せていただいてありがたい。流れ、展開が向いてくれれば」と期待感を口にする。
騎手引退までカウントダウンに入った。ラスト2週で重賞に騎乗する予定は、今週と来週の中山記念(ゴーフォザサミット)。「(終わりを)想像するとさみしくなると思うけど、自分で決断したこと。そのために3年間費やしてきたからね。次のステージに進んでいかないと。先週、阪神で乗って(同期の武)豊と乗ったけど、一緒に乗るのは最後なんだなぁと思って乗っていた。1つ1つ区切りをつけている。彼がいたから頑張れたし、引っ張ってもらってきた。豊にはもっともっと頑張ってほしいね。自分も違う立場で頑張りたい」と“戦友”にエールを送る。
小倉でのラスト騎乗は、JRA全10場制覇のラストチャンスでもある。「いい競馬ができれば最高だね」。ベテランは全力で騎手人生をまっとうする。