【巨人】藤川球児氏、原辰徳監督に「再び監督になられた瞬間は脅威でした」…特別対談<下>

スポーツ報知
対談で語り合う原監督と藤川氏

 巨人・原辰徳監督(62)とスポーツ報知評論家・藤川球児氏(40)の特別対談が15日、実現した。今季の先発ローテや打順構想からDH論まで強気の「火の玉直球質問」に、原監督は惜しげもなく胸中を明かした。(取材・構成=西村 茂展、小松 真也)

 <中>から続く

 球児氏(以下、球)「振り返ると打倒・巨人でやってきましたが、18年オフに再び原監督になられた瞬間は脅威でした」

 原監督(以下、原)「いやいや、そんなことない」

 球「駒(選手)の扱い方が巧みで、自分が抑えの時も9回まで代走を残していた。目に見えない戦術を含めて、代打や代走のタイミングなど勝負手はどのように決めているのですか?」

 原「展開にもよるが、7回ぐらいからは逆算しています。特に1点、2点差のビハインドゲームの時は、もう風景(起用する場面)ができあがっている。『来た』と思ったら、そこに合う選手を組み込む。迷っては見えないと思う」

 球「全く見えないです」

 原「先を読む、あるいは逆算から入ることに関しては、やや経験があるのかもしれない(笑い)」

 球「実際、自分たちが戦っていて、そこが最終的なゲーム差になっているのかなと。巨人の選手たちも『お前の出番はここだ』と分かっている」

 原「例えば、今の時期は選手を一人一人見るね。この選手はサブだ、とは絶対に見ないです」

 球「そうなんですか」

 原「全選手がレギュラーになりたいと集まっている。新しいチームが構成されれば、誰しもがスタメン、スターター、クローザーなどと役割を持つことを目指している。そういう目を僕は持つ。しかし開幕が近づいて、オープン戦の終盤になると『ベンチ入りに捨て駒はいない』という考え方で艦隊を組む。その中でスタメンの確率が高い選手、左投手にめっぽう強い選手など、同点、逆転に持ち込むためにどう起用するかを考えないといけない」

 球「この時期に頭の中でメンバーを決めていたんじゃなかろうかと思っていました。もちろん、シーズン中に駒をどんどん入れ替えて、ペナントが進むほどより役割がはっきりしてきますが、対戦相手の立場では分かりませんでした」

 原「全く決めていない。(選手は)個人事業主として一旗揚げようとしている。昨年、レギュラーだから今年もその座が保証されている選手はそうそういない。この時期はそこを徹底的に見て、挑戦させるのが大事。だから2、3月は楽しい。どういうメンバー構成ができ上がるのか、誰がレギュラーを取るのか」

 球「選手の目が輝き、指導するコーチの目も輝いている。チームの組織としても選手が死にませんし、全員にそういう対応をしているように映ります」

 原「先ほど、フェアな選手を望むと言ったけど、球児は特にそうだったね。球児と会った時に『頑張っているな』と声をかけると、『今度投げたら、こうします』って。『そうか』と言いながら、心の中では拍手しているんだよ。胸を突き合わせて戦うことをファンは望む」

 球「あまりグラウンドで話した回数は多くなかったんですけど、何かがあった時には伺って。一番、最初にごあいさつした時は坂本が出始めた頃で、僕から本塁打を打った(09年5月2日)。あの直後に原監督に『いい選手ですね』と言いに行ったら『お前さんから打ったら自信になるよ』って言われたんです。それで、2回目は長野選手にも一発浴びて(笑い)。そういう選手は勝負にいって、ちょこんと当ててこない。だから自分も悔しいし、震えるし、原監督のところに話しに行きたくなる(笑い)」

 原「勇人(坂本)も長野も自信になったぜ~」

 球「実は僕はメンバー表を交換する時に、互いの監督がどんな表情をするのか見ているんです。今までの話を聞くと『これは、のまれるわ』と思いました。表だってどんっと出てこられて」

 原「ひとつメンバー交換でも話があって。僕は巨人が負けた翌日の試合は、メンバー交換の時に相手監督に『ナイスゲーム!』とたたえる。僕はそれをラミ(ラミレス前DeNA監督)に教わった。ラミがウチと相性が悪い時に『昨日ナイスゲーム、でもきょうはいくよ』と言うわけ。素晴らしいスポーツマンシップ。自分もやろう、と。でも、ウチが勝つと誰も言わないね。言われた時にドキッとするだろうね(笑い)」

 球「今年は外の立場から見させていただきます。偉そうには言えませんが、よろしくお願いします」

 原「気にせず、どんどん、偉そうに言ってよ(笑い)」

 ◆藤川 球児(ふじかわ・きゅうじ)1980年7月21日、高知市生まれ。40歳。高知商から98年ドラフト1位で阪神に入団。2012年オフに米大リーグ・カブスに移籍。レンジャーズを経て、15年6月に四国アイランドリーグplusの高知に入団。同オフに阪神復帰。昨季限りで現役を引退し、今年1月に阪神の球団新ポスト「スペシャルアシスタント」就任。NPB通算782試合で60勝38敗243セーブ163ホールド、防御率2.08。MLBでは29試合で1勝1敗2セーブ1ホールド。

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