東北福祉大に所属するプロ注目選手・椋木蓮投手(3年)=高川学園=が、最終学年にかける意気込みを語った。昨年は秋季リーグ戦でMVP、東北地区大学野球王座決定戦では最優秀投手賞に輝いた最速153キロ右腕。今年はチームの目標である18年以来の日本一と自身のプロ入りへ向け、フル回転する覚悟だ。
杜の都の快速右腕が学生野球の最後のシーズンにチームを日本一へ導く。1年時には、優勝した全日本大学野球選手権で決勝マウンドを経験。昨秋リーグ戦では自己最速153キロを出すなど存在感を放った椋木が、最終学年への思いを語った。「小中高と全て自分の(最終学年の)代で全国大会に行ったことがない。今年は最後のチャンスと思って自分が周りを引っ張っていきたい。全国で優勝したい」。
順風満帆でなかったからこそ、最終学年へかける思いは強い。2年春に右肩をけがし、昨秋に復活した。明治神宮大会出場をかけた2年秋の代表決定戦では、決勝で同級生の綱脇慧(3年)=花咲徳栄=がノーヒットノーランで優勝投手に。椋木は外野のボールボーイだった。「優勝してうれしかったけど、すごく悔しかった」と、振り返る。
投手陣の柱として、またドラフト候補として、今年は投球回数にこだわる。昨秋リーグ戦では、主にリリーフで5試合に登板し、8回15奪三振でMVPに。大塚光二監督(53)から先発の働きを期待される今年は、「長いイニングをどれだけ同じ球で投げれるかを見せたい」。今冬は下半身を重点的に強化。「遠投から低く伸びる球を投げられるようになった」など、肉体強化が球質の向上にもつながった実感がある。
「太一さんより上の順位でプロへ行きたい」。昨年ドラフトで同大からヤクルト2位指名された山野太一投手(4年)=高川学園=の名前を口にした。中高大と同じチームでプレーした先輩の背中を追い越す意欲だ。まずは4月10日開幕の春季リーグ戦から、目標の日本一とプロ入りへ近づていく。(小山内 彩希)
◆椋木 蓮(むくのき・れん)2000年1月22日、山口・山陽小野田市生まれ。21歳。高川学園高2夏に甲子園出場。同秋からエース。東北福祉大では1年春からベンチ入りし、同年の春季リーグ戦で公式戦デビュー。18年の全日本大学野球選手権では2試合に登板。178センチ、81キロ。右投右打。家族は両親、兄、妹。