大仁田厚が旧アジアタッグベルトを“寸借”奪取、真アジアタッグ新設は許されるのか…金曜8時のプロレスコラム

アジアタッグの旧ベルトを持ち出す大仁田厚
アジアタッグの旧ベルトを持ち出す大仁田厚

 元参院議員の大仁田厚(63)が「ジャイアント馬場23回忌追善興行」(4日、東京・後楽園ホール)で渕正信(67)らと組んで8人タッグに出場し、2代目タイガーマスク組を相手にクリーンファイトしたことは先週書いたが、その翌日に一騒動を起こしていた。

 その顛末はこうだ。

 追善興行を主催した馬場さんの遺族の緒方公俊HJTプロダクション代表が経営する飲食店「ジャイアント馬場バル」(東京都港区新橋)で5日にトークショー「渕正信と大仁田厚の王道デンジャラスナイト in ジャイアント馬場バル」が開催された。

 大仁田と渕は1981年に米国でAWA南部タッグ王座を奪取するなど若手時代にコンビとして活躍した。そして、35年後の2016年11月27日に東京・両国国技館で佐藤光留、青木篤志組を破って、第100代アジアタッグ王者組に輝いた。そしてメモリアル王者として7か月間、王座を保持した。

 アジアタッグは1955年発祥で、力道山の日本プロレス時代からある日本に現存する最古のチャンピオン。力道山&豊登、豊登&ジャイアント馬場、大木金太郎&アントニオ猪木…と歴史と伝統の王座だ。現在はPWF(全日本プロレス)が認定している。

  • トークイベントで保持していたアジアタッグの旧ベルトを肩に記念撮影する大仁田厚(左)と渕正信
  • トークイベントで保持していたアジアタッグの旧ベルトを肩に記念撮影する大仁田厚(左)と渕正信

 そのチャンピオンベルトは老朽化のため2019年8月に封印され、新しいベルトになっている。旧アジアタッグのベルトはHJTプロダクションが管理しており「馬場バル」に展示されている。ベルトと記念撮影した大仁田はイベント後に「今のベルトはイケてない。馬場さんも巻いた古いベルトの方がいい。このベルト借りていくから」と言って2本とも持ち出した。「真アジアタッグ王座として防衛戦をやっていく」と宣言し、夜の新橋に消えていったという。

 こんなことが許されるのか。

 プロレス界はそれが許されてきた歴史がある。新日本プロレスが認定するIWGPヘビー級王者だったブロック・レスナーが2016年に防衛戦をボイコットし王座を剥奪されたが、ベルトを持ち逃げして、2017年にIWGP創設者のアントニオ猪木氏率いるIGFでそのベルトの防衛戦を行った。

 王座は団体に認定されるもので、ベルトはその化体でしかない。認定されていないベルトは王座ではないが、違う団体がそのベルトを認定したのならば王座になってしまう。新日本プロレス認定のIWGP王座とIGF認定のIWGP王座が同時に存在した珍事だった。訴訟になるまでもなく、ベルトの権威は団体の実力で決まるので、IGFのIWGP王座は長続きはしなかった。

 また、NWA世界ヘビー級王者だったルー・テーズが持っていたベルトが「プロレスリング世界ヘビー級王座」として高田延彦のUWFインターナショナルに提供されたこともあった。当時のNWA認定とテーズ認定のどっちが権威があっただろうか。

 だから今回の大仁田の「真アジアタッグ」も、旧ベルトを管理する「馬場バル」(HJTプロダクション)が認定すれば、れっきとした王座となる。PWFが認定する現王者はゼウス&イザナギだが、大仁田の騒動で、再びアジアタッグ王座に光が当たったことは間違いない。(酒井 隆之)

アジアタッグの旧ベルトを持ち出す大仁田厚
トークイベントで保持していたアジアタッグの旧ベルトを肩に記念撮影する大仁田厚(左)と渕正信
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