【箱根への道】青学大・原晋監督、史上初ユニホームに広告ロゴ「大学、スポンサーWinWin」

原晋監督
原晋監督
10区で大逆転を演じて優勝のゴールテープを切った駒大の石川拓慎。右胸の「日能研」も目立った
10区で大逆転を演じて優勝のゴールテープを切った駒大の石川拓慎。右胸の「日能研」も目立った
第97回箱根駅伝出場校のユニホーム
第97回箱根駅伝出場校のユニホーム

 今年の第97回箱根駅伝(1月2、3日)では大会史上初めて出場校のユニホームにスポンサーロゴが表示された。世界陸連と日本陸連の広告ルールの変更に伴い、箱根駅伝でも新ルールを適用。13年ぶり7度目の優勝を飾った駒大のユニホームには学習塾の「日能研」のロゴがつけられるなど20校中13校がユニホームにスポンサーロゴを表示した。上位校の各スポンサーは広告効果を高く評価。箱根駅伝が新しい可能性を示した。

 最終10区で3分19秒差を大逆転して、歓喜のゴールテープを切った駒大の石川拓慎(3年)の右胸には「日能研」のロゴがあった。

 「箱根駅伝のコース沿道には日能研の教室がたくさんあります。駒大チーム全員の『絶対に諦めない』という強い気持ちに多くの生徒、保護者の皆さんが元気をもらいました。優勝をお祝いするとともに感謝します」。日能研の広報担当は歴史的な優勝を飾った駒大に謝意と敬意を表した。

 駒大の大八木弘明監督(62)は「受験を控えた子供たちに勇気や感動を与えるような走りができたとすれば、それはうれしい」と謙虚に喜びを明かした。

 日能研にとって、駒大優勝という最高の結果に加え、箱根駅伝の大会自体にも大きな意味があった。

 箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟は新型コロナウイルス感染防止対策として「応援したいから、応援にいかない。」というキャッチフレーズを掲げ、「沿道での応援、観戦はお控えください」と呼びかけた。「実は今大会のキャッチフレーズは日能研にとっても共通することでした。例年であれば、受験当日、担当の先生が校門前で生徒に最後の応援の言葉をかけますが、今年度は校門前での応援をしませんでした。まさに『応援したいから、応援にいかない。』という気持ちで受験に臨みました」と日能研は力説した。

 昨年4月から国内大会で各チームはユニホームに所属名、製造メーカーに加え、シャツとパンツに同一のスポンサー名を表示できることが認められた。広告の新ルールが適用された初めての箱根駅伝では出場20校中13校のユニホームにスポンサーロゴがつけられた。日本テレビ系で放送された今大会の世帯平均視聴率は往路(31%)、復路(33・7%)、往復路平均(32・3%)はいずれも歴代1位。広告効果は抜群で、特に優勝した駒大の日能研を始め、やはり、上位校をスポンサードした団体、企業の満足度は高かった。

 2位の創価大は大学卒業生組織の「創友会」。惜しくも優勝を逃したが、4区途中からゴール手前2・1キロまで先頭を走る大健闘を見せた。創価大企画広報課によると、卒業生から「箱根路を力強く走る選手たちの姿とユニホームに入った創友会のロゴを見て、卒業生としての誇りを持って今年1年、頑張ろうと思いました」という声が多く寄せられたという。

 3位の東洋大は飲料メーカー伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」。伊藤園広報担当は「麦茶は日常生活の飲料というイメージが強いですが、スポーツにも適しています。今回、その認知度が高まったと思います」と宣伝効果を高く評価した。

 異色のスポンサーは青学大の新潟県「妙高市」だった。「妙高市には毎年、夏合宿でお世話になっている。金銭面だけで言えば、妙高市よりも良い条件の企業はあったが、妙高市に恩返しをしたかった」と、原晋監督(53)は企業ではなく地方自治体をスポンサーに選択した理由を明かした。

 往路では12位と出遅れたが、復路は意地の優勝を果たし、総合4位。さらにレースだけではなく、その後、TBS系のバラエティー番組「炎の体育会TV」にも「妙高市」のロゴ入りユニホームで出演し、アピールした。妙高市は公式ホームページのトップページで「妙高市×青山学院」を紹介し「妙高市民に夢と感動を与えていただきました。今夏にはまた妙高で鍛錬をされ、来年の箱根では必ずや総合V奪還を祈念します」などのメッセージを送った。

 今年の箱根駅伝は97回目にして、大会史上初の出来事が2つあった。一つは駅伝ファンに沿道での応援を控えるようにお願いしたこと。もう一つがユニホームのスポンサーロゴ表示。「ロゴを表示できるようになったことは大学、スポンサーがウィンウィンです」と“元カリスマ営業マン”の原監督は断言する。「沿道の応援がない箱根駅伝」は今年限りになることを願うが、ユニホームのスポンサーロゴは箱根駅伝の新しいトレンドとなりそうだ。(竹内 達朗)

 ◆長年支援の感謝を込めて無償のチームも

 日本陸連は昨年4月に「世界陸連広告規程改定に伴う国内適用について」を発表。国内大会で各チームはユニホームに所属名(学校はサイズ制限なし、学校以外は高さ5センチ以内)と製造メーカー(40平方センチ以内で高さ5センチ以内)に加え、同一のスポンサー名(40平方センチ以内、高さ5センチ以内)をシャツとパンツに一つずつ表示できることが認められた。ニューイヤー駅伝で3位だった旭化成のユニホームには食品用ラップフィルムの「サランラップ」のロゴが入った。

 箱根駅伝出場校のスポンサー料は各校によって異なる。ある伝統校の監督は「数百万円です」と明かす。その一方で、東海大のサンシャイン(建物総合管理業の山王総合)、法大の郵生(ビルメンテナンス業)のスポンサー料は0円。東海大の両角速監督(54)は「長年、後援していただいており、今回は感謝を込めて無償でロゴをつけました」と説明。法大の坪田智夫監督(43)も「元社長の杉山幹生さんにはチームが苦しい時から支援してもらったので、今回は恩返しです」と同様に話した。

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10区で大逆転を演じて優勝のゴールテープを切った駒大の石川拓慎。右胸の「日能研」も目立った
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