JRAは9日、令和3年度新規騎手免許の合格者8人を発表した。この日、千葉・白井市の競馬学校で卒業式に出席した永島まなみさん(18)と古川奈穂さん(20)の2人が、16年デビューの藤田菜七子騎手(23)以来となる5年ぶりの女性騎手参入となった。
菜七子の活躍に刺激を受けた古川奈穂さんは、高校中退を経て目指した騎手の道。ようやく卒業証書を手にした。「(菜七子騎手は)女性・男性関係なく活躍されていてすごいと思います。女性騎手の記録を次々更新されているので背中を追って頑張りたいです」
家族でのトランプで負けて涙を流すほどの負けず嫌い。そんな彼女にはシブい趣味がある。厩舎スタッフは「彼女は歴女で、特に新選組が好きなんです。研修中に京都で新選組の史跡巡りに行ったぐらいですからね」と結成の地に足を運び、激動の幕末に思いをはせていた。
意志の強さに加え、発信力もある。リスグラシュー、コントレイルなど、数々の名馬を手がけた矢作厩舎のミーティングで、はっきり自分の意見を言ってきた。そんな奈穂さんは小学生の時から福山雅治の大ファン。師匠の矢作調教師は「彼女は福山オンリーだね」と言うほど、IT’S ONLY LOVEを貫いてきた。
所属することを熱望した矢作厩舎から満を持してのデビュー。矢作師は「内に秘めたものを感じるし、その人間的な魅力でみんなにかわいがってもらってほしい」と目を細める。着々と成長を続ける兄弟子の坂井瑠星のように、一流ジョッキーへの階段を一歩ずつ駆け上がっていきたい。
菜七子「尊敬できる存在に」
昨年の模擬レースで卒業生と一緒に騎乗し、アドバイスを送った藤田菜七子も女性騎手が加わることを「すごくうれしい」と歓迎した。自身がデビューした頃から今までJRA騎手では常に紅一点。当時は不安も大きかった様子で「支えになれる、尊敬できる存在になれるよう頑張りたい」と先輩として、今後もサポートを続けていく。