日本資本主義の父に学ぶ 現代を生き抜くヒント…「ビビる大木、渋沢栄一を語る」著者に聞く

郷土の英雄への熱い思いを語ったビビる大木(カメラ・橘田 あかり)
郷土の英雄への熱い思いを語ったビビる大木(カメラ・橘田 あかり)
「ビビる大木、渋沢栄一を語る」(プレジデント社、1430円)
「ビビる大木、渋沢栄一を語る」(プレジデント社、1430円)

 お笑い芸人のビビる大木(46)が昨年12月に「ビビる大木、渋沢栄一を語る」(プレジデント社、1430円)を出版した。幕末から昭和までを駆け抜け、91年の生涯で500もの会社を設立した「日本資本主義の父」、渋沢栄一の言葉や生きざまから現代を生き抜くヒントを探った。渋沢の生涯を描く14日スタートのNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(日曜・後8時)のお供にも最適の一冊だ。(田中 雄己)

 渋沢と大木。2人が同郷(埼玉出身)という縁から、本書の企画はスタートした。

 「幕末は、もともと好きでしたけど、改めて渋沢“先輩”を深く知ると、なぜ地元の小学校や中学校で、もっと授業で教えてくれなかったのか不思議に思うくらいですよ」

 明治維新を経て、500社もの企業の創立や運営に関わったといわれる「日本資本主義の父」が残した言葉で特に響いたフレーズは、「学んだことは実践しないと意味がない」だという。

 「学ぶことは誰でもできる。それをどう生かして、どう社会に還元するか。これは、僕が幕末を好きになったきっかけでもある吉田松陰“先生”も同じことを話していて。やっぱり江戸でも、明治でも、現代でも同じなんですよね。ただ学んだことをどう生かすというのは非常に難しくて。そのあたりのノウハウをもっと細かく教えてほしいですけどね」

 大木は、自身を「お笑い中間管理職」と言う。番組や舞台がスムーズに進行するように、若手やアイドルにはより目立つ場面をお膳立てし、先輩より決して前には出過ぎない。大物と後輩の間に立つ46歳。中間管理職から見える渋沢像とは―。

 「渋沢さんみたいな上司が欲しいなって思いますよね。会社を興した人が自分で最後まで面倒を見たいというのは普通ですが、彼は軌道に乗ってきたらすぐに人に手渡してしまう。あとは、任せたよと。渋沢さんがゴールデンタイムの司会をされていたら、もしかしたら僕にパッと譲ってくれるかもしれない。その証拠に、生誕181年の今年、地元の後輩の僕にまで仕事を回してくれるんですよ(笑い)。死してなお、頭が切れるという」

 その価値観は、激動の幕末から明治、大正、昭和を生き抜いたからこそ築かれたと分析する。

 「彼は武蔵国に生まれたのですが、その時代は、隣の藩はもう外国というイメージで。例えば薩摩藩と言われても自分とは無関係という概念でしたけど、彼は明治維新やパリ万博を経験して、次第に考え方が変化していったのだと思う。今は藩と藩で分かれているけど、それは日本という国の中の話であって。それでは、藩だけでなく、日本のために何をするのかと変わっていったのではないでしょうか。概念が変わる時代に生きて、彼自身も概念を変えてきたんですよね」

 世界中に新型コロナウイルスの感染が拡大し、これまでの概念ががらりと変わった。渋沢が生きた時代と同じように、短期間で大きな変化が起きた。

 「このタイミングで、渋沢さんの大河ドラマが始まることには運命を感じます。NHKが何年前から準備していたか分かりませんけど、コロナは想定できていないわけですから。これから世界をどう立て直すかという時期で、幕末や明治のように、1か月後には今見ているものが古くなるというような。そんな空気もする中で、これは、筋書きのないドラマですよ。先行きの見えない時代の中で、皆がどこかで新しいヒントを欲しいなと思っているはず。そんな苦しい時代に、渋沢さんから何かを学べる良い機会だと思います」

 そして、大河ドラマではひそかに注目している点もあるという。

 「実は、彼の近くには女性が何人かいたみたいなんですよね。なかなかお札にならなかったのは女性関係のせいだという都市伝説もありますし。そのあたりをNHKがどう描くのかも楽しみですね」

 ◆ビビる大木(びびる・おおき)本名・大木淳。1974年9月29日、埼玉・春日部市生まれ。46歳。95年にお笑いコンビ「ビビる」を結成したが、相方が2002年に引退。現在はテレビ東京系「追跡LIVE! Sportsウォッチャー」のMCを務めるなど多方面で活躍中。かすかべ親善大使、高知県観光特使、萩ふるさと大使を担当。月刊ジャイアンツで「大木な巨人」を隔月で連載中。

郷土の英雄への熱い思いを語ったビビる大木(カメラ・橘田 あかり)
「ビビる大木、渋沢栄一を語る」(プレジデント社、1430円)
すべての写真を見る 2枚

社会

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請