東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は4日、都内で記者会見し、日本オリンピック委員会(JOC)の女性理事増員方針を巡る女性蔑視とも取れる発言について陳謝した。報道陣との主なやりとりは以下の通り。
―聖火リレーで愛知県で走る予定だったロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが森会長の発言により辞退されたが、どう受け止めたか。
「まあ、なんか昨日のことに合わせて報道されたんでしょうが、昨日の会合ではないと思いますよ。一昨日の自民党の会合で、その時にリレーについての発言は質問があったから、各県がやる実行委員会のお願いをしてて、基本的には密を避けてやってほしいと言っている。その中で人気のあるタレントさんは、できるだけ人が集まってくるところは、ご遠慮いただくことになった方がいいかなと私は思っている。それを指示したとか、これをどこからどう誰が走るかとか、何キロ走るかとか、僕ら決めることじゃないので。県に言えることは、できるだけ密を避けて下さいと。そういう話の例で、国会議員がたくさんいて、何もないところであれば、田んぼで走るしかないねと。田んぼで走れば、作業前ですから農作業に迷惑をかけたりしないねと。空があるから空気がこもらない。それしかないという意見もあるということを紹介しただけです」
―著名人には継続して走ってほしい?
「私は走って下さいとも下さるなとも言う立場じゃありません。お決めいただいた形は手続きをされて、持ってこられたと思います。誰が走るか、一切知りませんよ」
―会長は、女性は話が長いと思うか。
「最近、女性の話聞かないからあまり分かりません」
―東京都の小池百合子知事も「話が長いのは人による」と言っていた。
「私も長い方なんですよ」
―誤解を招く表現というのはどこが不適切だった。
「男女の区別するような発言をしたということですね」
―五輪精神に反する話もされたが、そういう方が組織委会長をされることは適任か。
「さあ…。あなたはどう思いますか?」
―適任じゃないと思う。
「そういう風に承っておきます」
―会長としての発言ではないので、責任が問われないという趣旨の発言をしていた
「責任を問われないとは言っていない。場所をわきまえてちゃんと話をしたつもりです」
―組織委員会ではないから、あの発言はよかったということか?
「そういうことではありません。ちゃんと全部見てから説明して下さい」
―「わきまえる」という表現してたが、女性は発言わきまえろと?
「そういうことではありません」
―なぜあんな発言になったのか?
「場所だとか時間だとか、テーマだとか、そういうものにやっぱり合わせて話していくことが大事なんじゃないですか。そうじゃないと会議は前に進まない」
―女性と限る必要はああったか?
「だから私も含めて、と言ったではないですか。面白おかしくしたいから聞いているんだろ。だからさっきから話している通りです」
―女性が多いと時間が長くなることを「誤解」と表現したが、これは謝った認識ではないんですか?
「そういう風に聞いておるんです。去年から、一連のガバナンスに基づいて各協会や連盟は人事に苦労されておられたようです。私は全体を統括する体協、今のスポーツ協会の会長していたから、その団体の皆さんといろいろな人と親しくしている。そういう皆さんは相談に来られて、大変のようでした。特に山下さんの時は、JOCの理事会の理事をかなり削って女性の枠を増やさなければならないということで、苦労しているとおっしゃっていた。そういう苦労話を聞いていました」
―各競技団体から女性が多いと会議が長いと聞いている?
「そういう話をよく聞きます」
―どういう競技団体か?
「それは言えません。
―データに基づいた、根拠ある発言と思えませんが
「さあ、僕はそういうこと言う人はどういう根拠でおっしゃったか分かりません。自分たちが理事を選んだけど、結果としていろんなことあった。私が聞いた話を思い出して言っているので。山下さんに苦労されますよということを申し上げた」
―今回の発言で皆さん怒っている。森さんの五輪を見たくないとの声もある
「だから謙虚に受け止めており、撤回をさせていただきますと言っているんです」