楽天の16年ドラフト1位・藤平尚真投手(22)が再起を懸けて5年目のシーズンに挑む。17年に3勝(4敗)、18年に4勝(7敗)と徐々に結果を積み上げてきたが、直近2シーズンは未勝利と期待に応えられなかった。
今年は2年連続で横浜高の先輩・涌井秀章の“涌井塾”に入門。1月6日から21日まで千葉県内で行われた合同自主トレでは「今までにないくらい走りました。ずっと走ってました」と体力と下半身の強化に明け暮れた。
ブルペンでは、涌井が高校時代から使っていたというカットボールの握りを教わり、「結構しっくりきています」。“ワクワク・カット”が、新たな武器として実戦で使えるメドが立った。
今季はドラフト1位・早川=早大=ら同世代のライバルたちが入ってきた。ファンからは比較対象に挙げられる立場となったが、「あまり気にはしていないですね。自分は自分のやれることをやるしかないので」。周囲の“雑音”に振り回されずに己の道をまい進するつもりだ。
過去最多は2年目の4勝。本拠地では今も「まずは5勝しないといけない」。その上で、師匠・涌井からノルマを設けられた「8勝」を定める。達成したい目標がもう一つ。今だつかめていない本拠地・楽天生命パークでの白星だ。キャリアの全7勝が敵地で挙げたもの。これまでは「勝てる気がしなかった」と弱気だったが、今年は「気にせずマウンドに上がった方がいい」と、精神面でも成長が見られる。
「今年こそホームで勝ちたいです」と力強く意気込みを示した藤平。新球を手にし、逆襲のシーズンが始まる。(楽天担当・長井 毅)