潮崎豪が明かす「三沢光晴さんの教え」…「逃げない…嘘は付きたくない」…2・12ノア日本武道館・連載<7>

スポーツ報知
GHCヘビー級王者・潮崎豪

 プロレスリング・ノアが2月12日に2010年12月5日以来、11年ぶりに日本武道館大会を開催する。大会名は「DESTINATION 2021 ~BACK TO BUDOKAN~」。今後のノアの「行く先」を左右するビッグマッチにWEB報知では、2021年を占うキーマンとしてGHCヘビー級王者・潮崎豪(39)、GHCナショナル王者・拳王(36)、そして昨年の最強決定戦「N―1」を制覇した中嶋勝彦(32)の3人を独断で指定。それぞれの「原点」と「これから」にテーマを絞ったインタビューを連載する。第7回は潮崎が明かす「三沢光晴さんの教え」。(取材・構成 福留 崇広)

 潮崎が今も忘れない「原点」と言える試合は、2003年3月1日、日本武道館、挑戦者・小橋建太が王者・三沢光晴を破り、初めてGHCのベルトを奪取したGHCヘビー級選手権だという。

 熊本の東海大二高(現・東海大学付属熊本星翔)を卒業しフリーターだった21歳だった当時、この激闘をテレビで見て、プロレスリング・ノアの「新人公開オーディション」を受検することを決意し、履歴書を送りテストに合格し入門。そして、2004年7月24日、ディファ有明で本田多聞と組んで秋山準、橋誠戦でデビューした。18年前の「三沢対小橋」の記憶は今も潮崎の体の中に鮮やかに刻まれている。

 「今も記憶に残っていますし、あの試合を超えるってなかなか難しいと思いますし、超えたいっていう思いは常にあります。ただ、あの試合がすべてじゃないとは思います。だけど、俺はあの試合を見て感動しました。見ている人に感動を与える、感動させる、人の心を打つってすごいことだと思う」

 自らの人生を動かした「三沢対小橋」の力。恐らく潮崎が心をつかまれた2003年3・1だけでなく多くの人が全日本プロレス時代から続く一連の2人の戦いをから何らかの影響を受けたことだろう。それは潮崎のように人生を左右する決断を後押ししたかもしれない。人々にそれほどの感動を与えた「三沢対小橋」合こそ、潮崎の「原点」だ。そして、ノアに入団し三沢光晴学んだことを明かした。

 「自分がどんな状況であろうと逃げないっていうことです。技を受けることもそうですし、どういう状況でも逃げない。それは自分の中では、プロレスはもちろん、そうなんですけど、人生においてもそれはつながるって思っています」

 潮崎は、三沢が事故で亡くなった2009年6月13日、広島グリーンアリーナでの試合でタッグパートナーだった。三沢は「どんな状況であろうとも逃げない」という信念を最後まで貫き、潮崎がリングで見届けた。

 「『逃げない』という思いは、ノアの選手は、みんながそうだと思います。逆にどんな攻撃でも受けてやろうっていう思いが全員にある。それは、三沢さん、小橋さん、田上さん…先人が作ってきたことで、それを受け継ぐのは、その後に残っている後輩たちの仕事で、ノアで闘う以上は避けられないことなんです」

 なぜ、三沢はあそこまで闘うことができたのだろうか。

 「何でなんですかね…。俺もあそこまで、できる気持ちは正直、わからないところがあります」

 そう漏らすと、少し間をおいて話し始めた。

。 「ただ、これは、三沢さんだけじゃなくて小橋さんもおっしゃっていたことは、『自分に嘘を付きたくない』っていうことでした。逃げることはしたくないという気持ちが常にあって、そこに嘘は付きたくないっていう信念を貫かないと、あれほどの闘いにはならないと思います。もちろん、プロレスラーは凄い、どんな技を受けても大丈夫なんだ、ということを見せる意味もあったとは思います。ただ、それ以上に『逃げることだけはしたくない』『嘘は付きたくない』と思ってそれをリングで貫いたんだと思います」

 全力で技を受ける、逃げない―そんな嘘を付かない闘いが、GHC王者・潮崎の礎になっている。

 「根本的には、自分がファンとして心を打たれた試合が基礎になっています。そこは、今でも変わらないですね。正直、どんな技でも逃げて受けたくないですよ(笑)。だけど、そこを耐えるからこそ、凄ぇなってなる。三沢さんは首、膝…と大きなケガを背負っても相手の技をすべて完璧に逃げずに受けた。小橋さんも逃げずに受けた。そういう方たちが自分の前にいたので、今もその背中を追っています」

 ここまで語ったすべてがプロレスリング・ノアの「バイブル」なのだろう。そして、2・12日本武道館の武藤敬司戦をこう位置づけた。

 「美しい美しくないじゃなくて、ノアというものをぶつけたい。ノアの戦いをぶつけたい。武藤敬司戦はそういう戦いになる」

 武藤戦への今の思いを打ち明けた。(続く。敬称略)

 ◆潮崎 豪(しおざき・ごう)1982年1月21日、熊本県熊本市生まれ。39歳。高校を卒業し、2003年にプロレスリング・ノアに入門し、2004年7月24日、ディファ有明で、本田多聞と組んで秋山準、橋誠とのタッグマッチでデビュー。09年6月14日の博多スターレーン大会で力皇とのGHCヘビー級王座決定戦を制し同ベルトを初奪取。11年7月10日の有明コロシアム大会で杉浦貴を破り2度目のGHC奪取。12年12月にノアを退団し全日本プロレスへ移籍。15年9月に全日本を退団しフリーとしてノアに参戦。16年5月28日にエディオンアリーナ大阪第1競技場で杉浦を破り3度目のGHC奪取に成功し同年6月にノアへ再入団。昨年1月4日の後楽園大会で清宮海斗を下し、4度目のGHC王座戴冠。現在まで6度の防衛に成功している。得意技は豪腕ラリアット、ムーンサルトプレス、ゴー・フラッシャー。身長183センチ、体重110キロ。

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