【巨人】桑田コーチが語る理想(後編)…選手とともに歩む伴走者、支えは「ノムさんの教え」

スポーツ報知
08年、楽天・野村監督(右)と話す桑田真澄氏

 巨人の桑田真澄投手チーフ補佐(52)の独占インタビュー後編。アマ野球の指導に長く携わった理由に野村克也監督からの金言があったことを明かした。また、選手の「伴走者」でありたいなど理想のコーチ像も語った。(取材・構成=星野和明・玉寄穂波)

 <<前編 先発完投135球の真意、球種は減らせ>>

 現役引退後はアマ野球の指導に力を入れ、少年野球チーム「麻生ジャイアンツボーイズ」も設立。小学生から社会人、女子野球などアマ野球の指導を経て、52歳でのプロ野球指導者デビュー。自身はどう捉えているのか。

 「40歳で引退して10年間は勉強という位置付けで、50歳をすぎてからは『いつユニホームを着てもいい』という覚悟を持っていました。一度、野村(克也)監督と対談した時に『桑田、やっぱり中学生を教えられるようにならないと一流の指導者にはなれないぞ』と言われたことがありまして。(学生に)教えられることもたくさんあって、気付きにもなりましたね」

 巨人では1軍投手陣だけではなく、2軍、3軍やリハビリ組などの“巡回コーチ”の役割も担う。理想は選手の「伴走者」だ。

 「コーチングは一方通行じゃなく、双方向でコミュニケーションを取っていくことがすごく大事だと思う。彼らの考え、感覚も教えてほしい。(選手が)考えた課題に対して提案をしていきたい。一緒に考えようよ。一緒に悩んで、できたら一緒に喜んで、できなかったら一緒に悔しがるとかね。ともに考え、苦しむ伴走者でありたい」

 ともに歩む伴走者―。言葉の意味は選手への愛情でもある。

 「プロ野球選手の平均引退年齢を調べると28、29歳。今のピッチャー陣で当てはまるのは桜井君とかね。いつまでもプロ野球選手でいられるわけじゃない。早く結果を残して、1年でも長くプロの世界で活躍してもらいたい。そのためには何が必要か、一緒に考えていきませんかと」

 現場から離れて選手たちを見てきた。実力は十分に分かっている。

 「持っている力が出ていない、ポテンシャルはすごくあるのに結果につながっていない選手がたくさんいる。基本的に彼らは『できない』のではなく『方法』を知らないだけ。やり方を知れば簡単にできると思う」

 新しい知識を得ることが、結果にもつながる。

 「野球以外のゴルフとかでもそう。料理だってステーキを焼くのも、何でうまく焼けないんだろうと思っていたら少し工夫をするだけでおいしく焼ける。知るっていうのがすごく楽しかったり。結果につながってくるとすごくうれしいですよ」

 名前が挙がる一人の選手。桑田コーチは昨年の宮崎春季キャンプでサブグラウンドで走っている桜井を見つけると車をとめてアドバイスを送った。

 「彼はすごい能力があるのに全然出せていないと思う。少し話をしたけど、『いや、俺はいける』と思って去年やっていたが、これじゃ通用しないっていうのは確認できたはず。そこさえ僕が変えることができたら十分先発でやれる」

 前編から大切だと話していた考える力。桑田コーチのアドバイスをどう取り入れるかは選手次第。それもまた、考える力だ。

 「僕がよく『プロセスが大事』と言うが、それも学童、学生野球の話。プロはプロセスが良くても結果が悪かったら何もならない。僕の考え、理論は唯一の正解じゃないと思っている。いろいろな方法、正解がある。選手が(自分に)合ったものを取り入れてくれればいいな」

 チームは日本一奪回へ向けて燃えている。桑田コーチの思いは。

 「ジャイアンツは日本一にならなければ納得してもらえない。原監督が言う『ワンチーム』。力を合わせて日本一を目指していく」(おわり)

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