天皇杯決勝、今年12月開催も…選手会がオフ確保で要望し本格検討、元日の風物詩が消える?

今年1月の天皇杯で優勝し歓喜する川崎イレブン
今年1月の天皇杯で優勝し歓喜する川崎イレブン

 来年度に予定されるサッカーの第101回天皇杯の決勝が、今年12月に開催される可能性が出てきた。関係者によると、日本プロサッカー選手会(横浜C・高橋秀人会長)から十分なオフの確保を目的に日程変更を要望され、天皇杯実施委員会(須原清貴委員長)で検討されている。変更となれば、12月決勝は18年度の第98回大会以来。直近で変更された2大会はいずれも日本代表の活動を考慮して前倒しされたもので、今回の変更が風物詩とも言える「元日決勝」の消滅につながる可能性もある。

 来年度の天皇杯決勝が22年元日でなく、今年12月に行われる可能性が出てきた。関係者によると、決勝日程について12月26日を始め、同月上旬の案が出ているという。元日案も含まれているが、日本プロサッカー選手会からオフを十分に確保する目的で前倒しの強い要望を受け、天皇杯実施委では12月決勝案を本格的に検討し始めた。最終的には日本協会の理事会で決まる。

 101回目を迎える天皇杯が元日決勝となった1968年度大会以降、元日以外の開催は第94回大会(14年12月13日)と第98回大会(18年12月9日)。ともに、翌年1月に日本代表が参加するアジア杯があったために前倒ししたもので暫定的な措置だった。今回は、選手のオフ問題に端を発しており、過密日程への対応が議論される。

 過去に十分なオフが取れないケースがあった。19年度大会で決勝(20年元日)まで進出した鹿島は、20年1月28日にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフが控えていたため、1月8日に始動。オフは6日間だけで、国際サッカー連盟の規定で定められている2週間を確保できず、鹿島選手会と協議した上でオフを短縮した。

 天皇杯の元日決勝については長年、指摘する声はあった。ただ、影響を受けるのは数少ない強豪クラブだけ。Jリーグの会議で何度も問題提起されたが、「ほとんどのクラブは人ごと」(関係者)で、変更への動きには至らなかった。昨季は降格がなかったため、今季はJ1、J2で2チームずつ増えて、1クラブあたりリーグ戦が4試合増となる。東京五輪による中断もあり、昨季に続く過密日程は確実。オフの重要性が増す中、選手会側から変更の要望が届けられた。Jリーグとしても同じ意見を持っており、大きな動きになった。

 12月決勝という結論になった場合、元日開催に戻すことを前提に変更した過去2例とは事情が異なる。日本の元日の風景が消える可能性もあり、重い決断になる。

 ◆2019、20年度の大会メモ 19年はJ1、J2全クラブに各都道府県代表を加えた88チームで争われた。5月25日に開幕し、2回戦からJ1、J2勢は参戦した。20年はコロナ禍で変則日程となり、9月16日開幕で参加チームは52チーム。J1はリーグ戦1位・川崎と2位・G大阪が準決勝から、J2の1位・徳島、J3の1位・秋田が準々決勝から参戦した。

 ◆天皇杯 正式名称は「天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会」。アマチュアも参加できるサッカーでは日本最大のオープントーナメント。1921年に「ア式蹴球全国優勝競技会」の名称で第1回大会を4チームで実施。以来、戦時中を含む9回の中止があるが、毎年開催。元日決勝となった68年度大会以降は11~12月、2004年度以降は原則9月、18年度以降は5月開幕が定着。09年度以降、本大会は計88チームが出場。優勝チームにACL出場権が与えられる。

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