バッハ会長、五輪「見通し良好」…でも陸上アジア選手権中止、バスケアジア杯予選の日本開催断念

東京五輪開催に決意を込めたバッハ会長(ロイター)
東京五輪開催に決意を込めたバッハ会長(ロイター)

 新型コロナウイルスの感染拡大で今夏に延期された東京五輪開幕まで、23日で半年となった。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)は、メッセージ動画を公開し「全ての見通しは良好で、我々は懸命に努力している」と改めて開催へ決意を込めたが、注目競技のバスケットボールや陸上で大会開催地変更や中止が現実化。世界的な感染収束が見通せず、頼みのワクチン接種も不透明だ。祭典へのカウントダウンが続く中、取り巻く状況は厳しさを増している。

 開幕半年前の節目。バッハ会長は柔和な表情を浮かべつつ「全ての見通しは良好で、我々は懸命に努力している」と強調した。五輪開催への懐疑論が渦巻く中、中止の二文字を必死に火消しする姿勢も見え隠れする。「(感染)状況への対処で必要な手段を、適切な時期に決める。それは観客の問題にも及ぶ。何人か、観客は入れられるのか」と、従来否定的だった無観客も選択肢に、是が非でも開催にこぎ着ける覚悟を示した。

 だが、厳しい現実を突きつけられている。国際バスケットボール連盟は22日、日本で集中開催予定だった男子のアジア・カップ予選B組(2月18~22日)を、カタールのドーハで行うと発表した。日本協会関係者によれば、都内で外部と遮断した“バブル”方式で実施を検討。五輪選考には関係ないが、国内組主力が参加し、実戦経験と大会運営の両面で東京五輪の試金石となるはずだった。成功裏に終えた昨年11月の体操国際大会(東京・国立代々木競技場)に続けば、五輪へつながる一歩となる希望もあったが、幻に終わった。

 花形の陸上でも、アジア陸連がアジア選手権(5月20~23日、中国・杭州)の中止を発表。世界陸連のカテゴリーで4番目に格付けが高く、五輪参加資格を得るための世界ランキング加算対象大会の一つ。日本陸連も昨夏に公表した選考方針で「東京オリンピック競技大会の成功に向けても、重要な位置づけとなる大会」としていた。調整が進んだ五輪2か月前の段階で好記録を出し、参加資格へとつなげるはずの舞台が消滅。若手や当落線上の選手にとって影響は小さくない。

 五輪全体の出場選手は約1万1000人。そのうち約4割の出場枠がまだ固まっていない。今後、各競技の予選大会が進まなければ、出場権を巡る公平性の観点から看過できない事態になる。世界保健機関(WHO)で緊急事態を統括するマイク・ライアン氏は「(感染抑止が)五輪開催に向けた最善の道だ」と指摘した。「IOCは出場全選手にワクチン接種を検討」と英紙テレグラフが22日に報じたが、“優先接種”には反発も予想され、先行きは不透明だ。実効的な対策がないままで、世論の反対や感染状況に目をつぶって開催の旗を振っても、ほころびは無情にも広がっていく。

 ◆陸上トラック&フィールド種目の五輪代表選考 参加資格を得るには、各種目の参加標準記録を突破するか、世界ランキング上位に入る必要がある。世界ランキングは記録と、大会の格付けに応じた順位スコアを合わせて算出。代表切符は、国内最終選考会となる日本選手権(5~6月)を経て決定。世界ランキングは、各種目選考上の優先順位づけにも関わる見通し。

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