【森永卓郎の本音】五輪開催の決め手は何か

スポーツ報知
森永卓郎

 1月21日の衆議院本会議で菅義偉首相が「ワクチン接種は五輪実施の前提とならない」との認識を示した。ワクチンによる感染収束が間に合わないと判断したからだろう。

 一つの問題は供給態勢だ。報道によると、医療従事者への接種が2月下旬に始まった後、3月に高齢者、5月に一般国民というスケジュールになっている。しかし、ワクチンは2度接種する必要があるから、このスケジュールでは7月の五輪に間に合わないのは確実だ。

 もう一つの問題は、国民の意向だ。新型コロナのワクチンは、緊急承認されたものだから、長期的な安全性が十分確認されていない。昨年12月の読売新聞世論調査によると、「すぐに接種を受けたい」が15%、「急がないが接種は受けたい」が69%、「接種は受けたくない」が15%で、大部分の国民は様子見という態度なのだ。ワクチンによる集団免疫の獲得のためには、7割の国民の接種が必要だから、ワクチン接種を任意のままにしておくと、到底五輪に間に合わないのだ。

 ただ、政府は強制接種を考えているのかもしれない。菅首相も、ワクチンの接種状況をマイナンバーで管理することを検討すると言い出したからだ。しかし、強制接種は国民の大きな反発を招くだろう。

 ワクチンよりも、もっと効率的で効果的な方法がある。それは、緊急事態宣言の対象地域の住民全員にPCR検査を行い、陽性者を自宅待機にすることだ。効果は、即座に表れる。唾液によるPCR検査でも、感度が9割あることが分かっているから、新規陽性者をいきなり10分の1に減らすことができるのだ。PCR検査の拡大には、なぜか否定的な意見も多いが、五輪をどうしても開催したいのであれば、他に選択肢はないのではないか。(経済アナリスト)

社会

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