実戦不足、感染リスクや隔離生活など代表選手の強化難しく…コロナ禍での五輪準備の難しさ

五輪のモニュメントと国立競技場
五輪のモニュメントと国立競技場

 東京五輪まで半年と迫った中、元五輪メダリストたちは、コロナ禍での選手強化の難しさや危うさについて指摘した。

 今月3日、五輪関係者に衝撃が走った。バドミントン男子の金メダル候補、桃田賢斗(NTT東日本)が、成田空港で新型コロナのPCR検査に陽性反応を示した。一緒にタイへ出発する予定だった他の選手・スタッフは陰性だったが、日本バドミントン協会は遠征を断念した。

 「もう、誰がどこで感染してもおかしくない状態」と現在は指導者を務めるレスリングの元五輪代表は語る。桃田が隔離期間を終えて練習を再開したのは今月14日で、「2週間近く練習ができないのは相当大きい。五輪本番直前だと取り返しがつかなくなる」と筋力低下などの影響を挙げた。重量挙げの元五輪代表も「2週間近くになるときつい。筋肉が衰えるし、バーベルを上げる一連の動きがバラバラになる」と危惧。「全て計算が狂ってしまう」と言い切った。

 実戦不足を心配するのはバレーボールの元五輪代表だ。バレーはネーションズリーグが5月開幕予定。男女とも予選ラウンドだけで15試合ある貴重な実戦の場。日本など世界各国で開催されるが、感染者が多い米国やブラジルも含まれ、開催は不透明だ。元選手は「ボール競技は試合を積み重ねて、チーム力アップを図る。試合が少なければ五輪で力を十分に出せない」と団体競技の難しさを明かした。

 全日本柔道連盟では慎重に検討した末、13日まで行われたカタール・ドーハでのマスターズ大会へ選手を派遣した。五輪競技で日本勢が今年初めて参加した国際大会で、男子代表の井上康生監督は「実戦を一つでも多く積めるプランニングが必要」と、残り半年でも試合数をこなす重要性を口にした。

 ただ、試合を求める一方で隔離も避けられない。今回は当初、帰国後の行動制限が緩和される「アスリートトラック」の適用を受けた上で1週間自主隔離するはずだったが、緊急事態宣言で政府は特例措置を一時停止。遠征メンバーは2週間隔離になった。

 「練習も試合も十分に行えないと、けがをするリスクも高まる」とバレーボールの元五輪代表。「ベテランは自分のペースで強化を進められるが、若手は気持ちが先走ってしまい、自分をコントロールできなくなる。無理な動きで故障につながることが多い」と、コロナ禍での準備の難しさを不安視した。(久浦 真一)

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