◆競泳 北島康介杯 第1日(22日、東京・辰巳国際水泳場)
男子200メートル自由形で、2019年世界選手権銀メダリストの松元克央(23)=セントラルスポーツ=が1分45秒13の日本新記録で優勝。自身が19年にマークした従来の記録を0秒09短縮した。年末年始の泳ぎ込みで地力を高め、100メートル~150メートルの泳ぎが進化。21年五輪イヤーを最高の形で滑り出し、目標として公言する金メダルに向けて「相当な覚悟を決めて練習するのみ」と背筋を伸ばした。
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松元選手は、素晴らしい日本記録だった。最後までバテずに、今ある力をまんべんなく、うまく出し切った泳ぎ方だった。年末年始の持久力強化の成果が出たといえる。
レース後に松元選手と話をした際、水陸両方の練習で成果を実感している、と言っていた。昨年と同じ水中練習で昨年よりタイムが上がり、ウェートトレーニングも昨年より重い重量を上げているという。左右で差があった泳ぎの修正に、一時期は水をかいた後の呼吸を「左呼吸(顔を左側に上げて呼吸する)」にしていたが、本来の右呼吸に戻した。左右差が以前より大きく抑えられていて、さらに効率良く水をとらえる泳ぎになっていた。
課題は昨年12月の日本選手権で指摘した通り100メートルのターン前の5メートルの動作。最後のひとかきの後、少し間があり、スピードが落ちていた。とはいえ、五輪イヤーのこの時期としては上出来だ。改善点がはっきりしているのだから、2月のジャパンオープン、4月の代表選考会となる日本選手権ではさらに記録を上げられるだろう。19年世界水泳の孫揚(中国)の優勝タイムが1分44秒93。五輪で確実に金メダルを目指すには、あと1秒、1分44秒台の前半は目指してほしい。(北京、ロンドン五輪男子200メートルバタフライ銅メダリスト)