【尾車親方の目】正代の“綱渡り相撲”…我慢できず行司泣かせの引き

はたき込みで隆の勝を下した正代(手前)俵に右足が残った(カメラ・竜田 卓)
はたき込みで隆の勝を下した正代(手前)俵に右足が残った(カメラ・竜田 卓)

◆大相撲初場所13日目(22日、東京・両国国技館)

 大関・正代が、またも“土俵際の魔術師”ぶりを発揮して2敗を死守した。関脇・隆の勝に逆転のはたき込みで、辛くも優勝争いトップの座をキープ。ここ4日間で4度の物言いがつく微妙な勝負を拾い続け、2度目の賜杯を目指す。同じく2敗の西前頭筆頭・大栄翔は、東同6枚目・竜電を押し出して完勝した。首位2人は変わらず、2差の4敗で大関・朝乃山、関脇・照ノ富士と平幕の逸ノ城、琴ノ若が追う。

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 正代の“綱渡り相撲”を今場所、何度見たことか。隆の勝との一番。あごが上がり、腰が高く、胸を張った体勢。竹馬に乗っているような動きで前に出たものの、隆の勝に下から攻められて踏ん張りが利かなくなった。本来なら悪い体勢でもグイグイと前に出るのが正代の持ち味。我慢できずに引いてしまい、行司泣かせの相撲を取ってしまった。

 引いてしまう癖は以前から気になっていた。昨年の秋場所の千秋楽、翔猿との一番でも引いた。突き落としでなんとか初優勝を飾ったが、それから何度か引く場面を見た。11月場所の3日目には高安との一番で引いて左足首を痛めて休場を余儀なくされた。今場所、このまま優勝したとしても悪癖を直さない限り、休場につながるケガを招き、綱を目指すことも出来ないと断言することができる。

 残り2日。優勝は千秋楽まで持ち越しとなったが、正代の“綱渡り相撲”を見せられたら、誰が優勝するか余計に分からなくなった。(スポーツ報知評論家)

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