仕方がないと分かってはいるが、モヤモヤしたコロナ禍の全国高校サッカー選手権

昨年末、セットプレー対策を練習する藤枝明誠高サッカー部
昨年末、セットプレー対策を練習する藤枝明誠高サッカー部

 第99回全国高校サッカー選手権は山梨学院の優勝で無事に閉幕した。決勝を自宅でテレビ観戦したが、緊迫した見応えのある試合だった。コロナ禍の開催で、選手たちは大変だったと聞いた。自由時間の外出や、宿舎内での部屋の行き来などもNGだったという。

 感染予防の観点から、取材活動も制限された。会場では選手との接触は禁止で、会見はリモート。取材に応じてもらえるのは監督と主将だけ(勝利校はプラス1人)。仕方がないことではあるが、静岡県代表の藤枝明誠に11月中旬から密着してきた記者にとって、自由に選手の話が聞けない状況はもどかしかった。

 とくに初戦となった新田(愛媛)との2回戦は、0―2からの逆転勝利。得点した3選手は、県大会ではノーゴールだった。なかでも鮮やかだったのが後半28分の同点劇。途中出場のDF中谷未聖選手(3年)が左サイドからアーリークロスを送り、前線に上がっていたDF増田七翔選手(2年)がダイビングヘッドを決めた。

 中谷選手は「サッカーは高校まで」と決めており、増田選手はJリーグの下部組織で育ちながら、ユース昇格よりも「高校選手権に出てみたい」と明誠進学を選んだ。晴れの舞台で結果を残した2人の、試合直後の生の声を聞いてみたかったが、2人とも試合後の取材対応選手には選ばれなかった。

 それもあって、山梨学院との3回戦はなんとしても勝ってほしかった。翌日の4日は試合がないため、さいたま市内の練習場で話が聞ける。記者席で「勝ってくれ」と祈りながらPK戦を見つめていたが、6-7で敗退。チームは4日に帰静した。

 5日、新チーム始動の取材に行った。練習後、感染防止に配慮したうえで、増田選手から話を聞くことができた。「0―2になったときは焦りました」「中谷さんのクロスは完璧でした」「負けた日はホテルに帰るまでずっと泣いてました」「もう一度あの場所に戻りたいです」。選手のストレートな思いを聞くことができて、心のモヤモヤが少し晴れた。早くコロナが収束し、次回大会は平常通りに開催されることを願っている。(静岡支局・里見 祐司)

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