【巨人】本拠地・東京ドームの意外な過去…カズがゴール、競輪…屋根膨らませた歴史的1日

屋根がふくらんで完成した東京ドーム。手前は巨人・大洋14回戦が行われている後楽園球場。遊園地の遊具から87年6月28日撮影
屋根がふくらんで完成した東京ドーム。手前は巨人・大洋14回戦が行われている後楽園球場。遊園地の遊具から87年6月28日撮影

 三井不動産は19日、東京ドームへの株式公開買い付け(TOB)に議決権ベースで84・8%の応募が集まり、成立したと発表した。

 今後は完全子会社化し、株式の2割を読売新聞グループ本社に譲渡。東京ドームは東京・文京区の広大な敷地で球場、遊園地、ホテルなどの「東京ドームシティ」を運営していて、今後は商業施設など一帯の再整備に共同で乗り出す。

 三井不動産と読売新聞グループ本社、東京ドームの3社は提携し、巨人の本拠地球場・東京ドームの建て替えも検討するという。

 現在の東京ドームの場所はもともと、後楽園競輪場があった。巨人の本拠地球場・後楽園球場に隣接していた競輪場は72年に閉場。73年から「後楽園ジャンボプール」に改装され、競輪場の形を残しながら夏は巨大プール、冬はゴルフ練習場として利用された。

 84年、この地に日本初のエアードーム建設計画が発表される。86年、エアードームの名称が「東京ドーム(BIG EGG)」に決定し大きな注目を集めた。

 ドームの屋根膜には、ふっそ樹脂コーティングしたガラス繊維膜材が使用されている。28本のケーブルで支えられ、総重量は400トンを超える。空気の圧力差で屋根膜を支える、当時では画期的な構造だった。

 歴史的瞬間が訪れたのは87年6月28日。東京ドームの中に空気を入れ、屋根を膨らませて持ち上げる作業が行われた。翌日の報知新聞は「後楽園ドーム膨らんだ!!」「夢球場誕生」「エア注入」「まるで巨大UFO」「球界新世紀へ歴史的一歩」の見出しで大々的に報じている。

 当時の記事では「屋根となる225枚のパネル、ガラス繊維の特殊膜は15日につなぎ合わされ、空気の注入を待つばかりだった。風船を膨らませるように空気を吹き込む仕組み。午前5時半。送風機10台が作動。30分後、小さなふくらみができ、午前6時半には8割方ふくらんだ。7時20分、ふくらむ膜の上に乗り、均等膨張をはかっていた50人の作業員も降り始めた」と報じている。作業開始前は平らだった屋根膜が無事にふくらみ、午前8時3分に作業は完了した。

 1988年3月17日に開場。翌18日にこけら落としとなった巨人・阪神のオープン戦が行われた。試合前には前年に引退した江川卓氏の引退セレモニーが行われ、記念すべき「東京ドーム第1球」にライバルの阪神・掛布雅之(現役)が空振り。桑田真澄が先発し、9―4で巨人が勝利した。

 その後、東京ドームは野球だけでなく、さまざまなイベントが行われてきた。93年7月19日にはサッカーのヴェルディ川崎と名門アストン・ビラ(イングランド)のコカ・コーラカップを午後7時キックオフで実施。川崎は1―2で敗れたが、三浦和良がゴールを決めてカズダンスを披露し、翌日の報知新聞は最終面で「カズ ドーム制圧」の見出しで報道。当時はJリーグが発足したばかり。菊池新吉、柱谷、ラモス、北沢、武田ら豪華メンバーが出場した一戦に4万3358人の観客は熱狂した。

 それ以外にも、意外な過去はあった。もともと競輪場があったことから地下に競輪のバンクがあり、東京ドームで自転車の大会も何度か実施されている。08年には北京五輪代表壮行会「サイクルフェスタ08」(報知新聞社後援)が行われ、野球のグラウンドが競輪場に“変身”している。

 かつて後楽園球場があった場所には、東京ドームホテルなどが開業した。コンサート、アメリカンフットボール、プロレス、その他イベントなど、都心でエンターテインメントの輝きを放ってきた東京ドーム。開業から30年を超え、三井不動産の建て替えの検討はどのように進んでいくのか。ビッグエッグは時代とともに進化していく。

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