◆第47期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負 第1局(17日・岡田美術館 開化亭)
第1局が17日、神奈川県箱根町の「岡田美術館 開化亭」で行われ、後手の里見香奈女流名人(28)=清麗、女流王位、倉敷藤花=が90手で挑戦者の加藤桃子女流三段(25)に勝ち、12連覇と女流史上最多タイのタイトル43期へ好発進した。リーグ全勝の最強挑戦者との初戦で伝家の宝刀「ゴキゲン中飛車」を採用。序盤の積極策で奪ったリードを守り、一気に駆け抜けた完勝譜だった。第2局は24日、島根県出雲市で行われる。
主催 報知新聞社、日本将棋連盟
特別協賛 (株)ユニバーサルエンターテインメント
協力 岡田美術館、箱根仙石原プリンスホテル
後援 箱根町
先手・後手を決める振り駒は6年連続で岡田美術館の小林忠館長(79)が務め、歩2枚、と金3枚が出て加藤女流三段の先手に。挑戦者が先手となったのは5年連続。緊張の儀式を終えた小林館長は「だいぶ慣れてきました。(先後は)神様のご意思のようですから、2対3の割合で良かったのでは」と安どの表情。緊急事態宣言下での開幕局となったが「各方面、慎重に準備をしていただき、実現できて感謝しております」とシリーズの熱戦を期待した。
恒例の有観客の大盤解説会はコロナ禍で中止になり、女流名人戦では初めて、解説会が岡田美術館内特設スタジオからユーチューブで生配信された。視聴数は終局後も伸び、午後7時時点で約3万回を超えた。盤を挟む両者のキャプチャー画像も流れるなど臨場感たっぷり。おやつで出た美術館特製チョコレートも紹介され、昨年の挑戦者で聞き手の室谷由紀女流三段(27)は「私はビンテージバルサミコとイチジクのチョコが好き」。解説の屋敷伸之九段は「チョコに描かれた絵もきれい。さすが美術館」と笑顔だった。