35歳・明瀬山が無傷6連勝、28場所ぶり幕内…ファンも熱狂、しこ名入りタオルが唯一完売

照強(手前)を突き落としで破り全勝を守った明瀬山(カメラ・宮崎 亮太)
照強(手前)を突き落としで破り全勝を守った明瀬山(カメラ・宮崎 亮太)

◆大相撲初場所6日目(15日、東京・両国国技館)

 28場所ぶりに幕内に復帰した西前頭16枚目・明瀬山が、無傷6連勝を飾った。同12枚目・照強を逆転の突き落としで破った。過去1場所しか幕内経験のない35歳のベテランが、堂々トップを走っている。大関・貴景勝は西前頭3枚目・阿武咲に不覚を取り、早くも5敗目を喫した。カド番の両大関は正代が1敗を守り、朝乃山は3敗目となった。全勝は平幕の大栄翔と明瀬山の2人となった。

 35歳の明瀬山が、神がかってきた。169センチの小兵・照強との一番は立ち合い、もろ差しから一気に寄られた。だが絶体絶命の土俵際で右に回り込むと、そのまま突き落とした。自身初の初日から6連勝。トップを守る白星に、リモート取材では「素直にうれしい。初日から6連勝はしたことがないので。しかも幕内で」と満面の笑みを浮かべた。

 小学生時代は2度わんぱく横綱に輝き、埼玉栄高、日大から08年初場所で初土俵を踏んだ相撲エリート。だが新入幕までは学生出身として史上4位のスロー記録となる48場所を要し、同場所は4勝11敗。わずか1場所で、十両に陥落した。以降約5年間は、幕下の土俵も経験。今場所、史上4位のブランクとなる28場所ぶりの幕内復帰を果たした。

 本来は突き押しを得意とするが、右四つでも相撲を取る。転機は幕下上位だった10年5月、木瀬部屋閉鎖による北の湖部屋への転籍だった。北の湖親方(元横綱)から右四つの助言を受け「四つ身で教えてもらったこともある。(親方は)短パンなのに気が付いたら(下手を)切られていて天才だなと」。優勝24度の大横綱が見いだした才能は、10年の時を経て開花しようとしている。

 ベテランの幕内復帰に、相撲ファンの間でも熱が高まってきている。国技館内の売店で販売されるしこ名入りのタオルは、明瀬山の分だけ完売状態。関係者によれば約100枚仕入れていたが、3日目までには売り切れていたという。

 勢いに乗って臨む7日目は、198キロの逸ノ城戦。弟弟子の徳勝龍は昨年、同じように返り入幕の土俵で初賜杯を抱いた。全勝の緊張感は「全然ない」と言い切る余裕はベテランならでは。「だってまだ、前半も終わってないですから」。昨年まで5年連続で初優勝力士が誕生している“荒れる初場所”は、明瀬山が主役となる。(大谷 翔太)

 ◆明瀬山光彦(あきせやま・みつひこ)プロフィル

 ▼生まれとサイズ 本名・深尾光彦。1985年7月18日、愛知県春日井市。35歳。182センチ、183キロ。

 ▼しこ名の由来 10年九州場所で新十両となり「深尾」から改名。両親の名前から「明」、木瀬親方から「瀬」、小学校と高校の恩師「山田先生」から「山」を取った。

 ▼あだ名 「パンの山」。肌が白く、もっちりとした体形と肌質から、好角家で文筆家の能町みね子氏が名付けた。SNSを中心に広がっている。

 ▼人柄 「みっちゃん」の愛称で親しまれる。埼玉栄高OBの武隈親方(元大関・豪栄道)は後輩だが、いじられることも。4日目には安治川親方(元関脇・安美錦)から「優勝宣言しろよ」と突っ込まれ、「言えるわけないじゃないですか~」とタジタジ。

6日目の取組結果

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