河瀬直美監督、プレッシャーとの向き合い方「重圧を考えないようにしています」(報知映画賞取材秘話)

報知映画賞のブロンズ像を手に笑顔を見せる監督賞受賞の河瀬直美監督
報知映画賞のブロンズ像を手に笑顔を見せる監督賞受賞の河瀬直美監督

 コロナ禍で今年度の映画賞の授賞式がいくつか中止になった。昨年12月に発表された「第45回報知映画賞」もそのひとつ。受賞者が大勢に祝福され、喜びを分かち合う晴れの舞台がないということは、やはり寂しいものだ。

 受賞者インタビューでは「朝が来る」で監督賞を獲得した河瀬直美氏(51)を取材した。同監督といえば、今年予定されている東京オリンピック大会公式映画の監督でもある。開催できるのかどうか。その過程を追うだけでも歴史に残るドキュメンタリーになるだろう。

 史上最年少27歳で仏カンヌ映画祭で新人監督賞に輝き、カンヌの申し子のように言われてきた。“五輪監督”の大仕事にも変なプレッシャーはないという。取材中、意外だったのは受け答えする声が消え入りそうなくらい小さかったこと。録音ミスが心配で思わずICレコーダーを本人に近づけたほどだ。相手に分からせようと熱く語るのではなく、自問自答しながら話すタイプの人なのだろう、と勝手に解釈した。

 そんな中で重圧との向き合い方を聞いたとき。「私、考えないようにしてるんです」と返ってきたのが印象的だった。しかし、そんなことは実際、不可能ではないのか。

 「例えば、自分のスマホは持っていても、ネットからの情報、SNSニュースとかほとんど見ないんです。それを見続けていることの時間のムダというか、そこで惑わされたくない気持ちが強くて」といい、「いま、自分が見ているもの、見えているものを大事にしたい。目の前のひとつひとつに心を裂きたい。手のひらに乗る範囲のものを大切にしていたい」という説明だった。

 コロナ禍関連のニュースが連日あふれ返っている。伝える側の仕事をしていながら、情報の中でおぼれそうになっている自分がいる。職業上、情報を遮断することは許されないが、最近、頭が疲れたとき、監督の話を思い出してしまう。(記者コラム)

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