マリナーズの特別コーチに就任した前巨人の岩隈久志氏(39)が13日(日本時間14日)、オンライン会見に臨んだ。指導者としての意欲を語り、メジャー2年目の昨季2勝4敗に終わった菊池雄星投手(29)の飛躍に期待を寄せた。
柔和な表情ながらも、時に勝負師の鋭い目つきになった。マ軍特別コーチの就任会見を行った岩隈氏は、今季メジャーで3年目の菊池について「寄り添って一緒に戦っていけたらいいのかなと思います」と全面バックアップを約束した。
マ軍時代に日本人投手2人目のノーヒッターを達成し、日米通算170勝を挙げた岩隈氏の目には、メジャー2年で8勝15敗、防御率5・39の菊池が「自分の持っている能力とかを、まだ発揮できていないのではないか」と映っている。昨季はア・リーグ西地区3位だったマ軍の上位進出には、菊池の覚醒が不可欠。「技術的にどうこうというのを伝えていけたらいい」と2月のキャンプから、これまでの経験や知識を伝授していく。
昨季限りで現役を引退したばかりで「おそらく1年くらいは、ゆっくりするのかなと勝手に考えていた」という。だが、古巣から指導者としての復帰の打診を受けて「光栄なこと」と快諾した。すでにマ軍で会長付特別補佐兼インストラクターを務めているイチロー氏(47)には「またよろしくお願いします」と連絡済み。「一緒にグラウンドで仕事ができるのはうれしいです」と目を輝かせた。
今後は米シアトルに拠点を置いて、マイナーを含めた投手担当となる。日本帰国時にはスカウト活動のサポートもする。日米球界を熟知する若き指導者が目指すのは「野球の伝道師」。菊池やイチロー氏らと一緒に、マ軍で新たな歴史を刻む。