【箱根への道】駒大・田沢廉の決意 2年生で新主将…「言葉」と「走り」で常勝軍団導く

新主将としてチームを引っ張る田沢廉
新主将としてチームを引っ張る田沢廉

 第97回箱根駅伝(2、3日)の激闘が終わり約2週間。98回目の「箱根への道」を目指す戦いはすでに始まっている。最終10区の大逆転で13年ぶり7度目の優勝を果たした駒大は、新主将に就任した田沢廉(2年)が「走り」と「言葉」で新チームを引っ張り始めた。大八木弘明監督(62)の熱い思いに応えるべく、チームの絆を力に変えて世界も目指す。

 2年生ながら新主将を託された駒大の絶対エース田沢が、責任の大きさを自覚した。「チームへの意識が変わりました。今までより強くなったというか、『自分だけ』という感情はほぼないですね」。真の大黒柱へ、競技力だけではなく意識を変革して来季を見据えていた。

 箱根の劇的な逆転優勝で13年ぶりの頂点に立ち、名実ともに“令和の常勝軍団”を襲名した。駒大はここで立ち止まらないのが、強豪たるゆえんだ。大八木監督は「来季も選手層の厚い東洋大や青学大、東海大あたりとの戦いになるでしょう。優勝したからといって守りに入るのではなく、攻める気持ちでいきます」。そのために新3年生を主将(田沢)と副主将(山野力)にし、最上級生へは悔しさをバネに飛躍することを求めた。

 王者のレギュラー争いはすでに始まっている。帰省期間を終え、今月12日に新体制初のポイント練習を実施。1万6000メートルペース走では終盤にさしかかると、ついていけない選手何人かが集団からこぼれた。グラウンドに最初に響いたのは「ここで離れたら意味ないぞ!」という田沢新主将の声。この日を最後にチームを離れた青山尚大主務(4年)は「これまでめったに声を出すことはなかったので、珍しいですね。もう役割を理解して実践しているので安心して後を任せられます」と目を細めた。

  • 新主将となった田沢廉は、新体制初のポイント練習を前に真剣な表情でウォーミングアップ

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 田沢を主将にしたのは、チームのためというのはもちろん、世界へ羽ばたくランナーになってほしいという願いも込められている。指揮官は「気配りや感性というものは、トップとして戦うために非常に大事な要素。感じないと動かない」と鋭く指摘。さらに、チームの先頭に立つことで周りを見渡し、どうすればより速く、強く、勝てるのかを考えることになる。「(OBの中村)匠吾も学生時代はそこまで考え抜いていたわけではなかった。実業団に行く頃から意識が変わりましたが、田沢にはもっと早くからいろいろと感じてほしい」と東京五輪男子マラソン代表の名を挙げ、期待も込めた。

 チームは挑戦者から王者へと立場は変わるが、田沢新主将は「3冠できるだけの力はある」と力を込める。続けて「一人ひとりが力を発揮できるような環境をつくるのが僕の使命。それができなければ、勝てるものも勝てない」と自らを追い込んだ。高き理想の先に、田沢と駒大の黄金時代が待っている。(太田 涼)

 ◆田沢 廉(たざわ・れん)2000年11月11日、青森・八戸市生まれ。20歳。マラソン大会で負けた悔しさから、是川中で本格的に陸上を始める。3年時に全中3000メートルで決勝に進出するも、最下位の18位。青森山田高では全国高校駅伝に3年連続出場。3年時のアジアジュニア5000メートルで銀メダル。駒大に進み、全日本大学駅伝では1年7区、2年8区で区間賞。箱根駅伝は1年3区3位、2年2区7位。20年12月の日本選手権1万メートルで駒大新記録となる27分46秒09をマーク。180センチ、61キロ。

  • 2区を力走した駒大・田沢廉

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2区を力走した駒大・田沢廉
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