面白いようにパスが久保建英の足元へ 久々に見た19歳の笑顔…スペイン通信員が「見た」

久保建英
久保建英

◆スペイン1部 ▽第18節 ヘタフェ3―1エルチェ(11日・エルチェ)

 8日にヘタフェへの期限付き移籍が発表された日本代表MF久保建英は、エルチェ戦の後半20分から投入され新天地デビューを果たし、決勝点を含む2得点に絡む活躍を見せた。大雪の影響でチーム練習に合流できず、“ぶっつけ本番”での起用となったが、3―1の逆転勝利に貢献した。現地で取材する豊福晋通信員が、久保の躍動とチームメートからの信頼を「見た」。

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 チームメートの名前と顔も一致したかどうか。“ぶっつけ本番”でピッチに立った久保が、ビリャレアルで失った時間を取り戻すかのようにデビュー戦でいきいきと輝いた。

 らしさあふれる細かいタッチのドリブルから放った左足のシュートがヘタフェの2点目を呼んだ。3点目は久保のクロスから生まれたPKだ。ピッチに立ったのは約30分間。限られた時間の中で、自身に何ができるのかをはっきりと示した。

 全体練習ができなかった分、何をしてほしいのかをじっくり話していたとボルダラス監督は言う。入ったポジションは右サイド。それでも右に縛られることなく、攻撃時は中央や左サイド、最前線と縦横無尽に動いた。興味深かったのはパスが久保の足元に面白いように入ってきたこと。試合後、エースFWのマタは久保について「ボールに触るのが好きで、常に要求してくる。これはチームにとって素晴らしいこと」と満足げに語った。

 久保はヘタフェにはいなかったタイプだ。「ボールは渡すから何か見せてくれ―」。チームメイトのそんな思いさえ感じた。異質の存在が、毛色の違うチームの中で際立つことはよくある。単調だったヘタフェにポジティブな化学変化は起こるか。「久保がヘタフェを変える」。絶賛する現地メディアにはそんな見出しもあった。

 前節を終えた段階でヘタフェはスペイン1部で20チーム中最少得点。FWマタ、アンヘルロドリゲスと頼れる点取り屋こそいるものの、攻撃を組み立て、自らも得点に絡める選手の不在が響き、リーグ戦ここ3試合は合計1得点だった。ヘタフェの3得点は昨年9月以来のこと。工夫のなかった攻撃に変化をつけた久保は、分かりやすい救世主だった。

 試合後、久保は審判団に握手を求め、チームメイトと抱き合った。まだ見慣れない5番をつけた背中に充実感が漂う。久々に見る19歳の笑顔だった。(豊福 晋)

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