将棋の藤井聡太二冠(18)=王位、棋聖=と里見香奈女流名人(28)=清麗、女流王位、倉敷藤花=による第61期王位戦記念対局が昨年11月16日に、大阪市福島区の関西将棋会館で指され、後手の藤井二冠が122手で勝利を収めた。
女流四冠の里見が先手で、持ち時間は里見60分、藤井10分という“ハンデ”付き。里見はゴキゲン中飛車、藤井は居飛車とお互いの棋風で指したが、藤井が寄せ付けず完勝。公式戦初対決となった2018年8月の第90期棋聖戦一次予選に続いて“連勝”した。
終局後、藤井は「こちららの玉が攻め合いに強い形なので、悪くはないと思っていた」と振り返った。19年1月にネット放送された新人王の記念対局の経験があるが、「また違った立場で記念対局をさせていただいたことは、よかったなと思います」と話した。
一方の里見は「早い段階で指しにくい将棋にしてしまったのが残念」と敗戦の弁。それでも「この記念対局は大きなモチベーションになっているので、こういう機会をいただけてうれしい。今後に生かせられるよう頑張りたい」と前向きに語った。