東京五輪、緊急事態宣言再発令なら「非常に厳しい」

五輪オブジェ
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1月に予定される主なスポーツ大会
1月に予定される主なスポーツ大会

 政府が4日、新型コロナウイルスの感染拡大により、首都圏1都3県に緊急事態宣言発令の検討に入ると表明したことで、今夏に延期された東京五輪も危機的な状況を迎えた。菅義偉首相は従来通りの開催方針を口にしたが、アスリートを含め、大会への準備が滞るのは必至。五輪組織委関係者は「非常に厳しい状況」と指摘した。発令日は7日か8日が有力。開催中の全国高校サッカー選手権や、16日に開幕するラグビー・トップリーグへの影響も不透明で、各方面から戸惑いの声が上がった。

 東京五輪まであと200日の節目を迎えたこの日、緊急事態宣言の発令が秒読みとなった。菅首相は「感染対策を万全なものとし、世界中に希望と勇気をお届けするこの大会を実現する決意のもと準備を進める」と強気に決意表明したが、複数の大会関係者からは「非常に厳しい状況だ」という本音が漏れた。

 政府がどのような内容の宣言を発出するかは不透明だが、まずはアスリートへの影響が懸念される。昨年4~5月の第一次宣言下では、トップ選手の強化拠点である味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)などが利用中止となり、予定された大会も次々に中止に追い込まれた。同じように練習環境や実戦機会に制約が生じた場合、強化は困難になる。

 ある組織委関係者は「海外の反応が大きな懸念材料」と指摘した。政府は昨年12月26日、変異種の国内侵入を防ぐため水際対策の強化を発表。大会本番を見据えて11月に導入された外国からのスポーツ選手の特例入国措置も一部停止となった。別の関係者は「宣言によって東京が大変だというイメージが植え付けられるだろう。そうなれば『東京には行かない』という選手が出てきてもおかしくない」。3月からテストイベントも始まるが、それまでに特例入国が可能になるかは見通せない。昨春のカナダやオーストラリアのように、国単位で選手派遣を取りやめるケースも考えられる。

 観客数の上限と海外からの観客受け入れの可否は春に判断する方針だが、今後さらに五輪悲観論が高まるのは必至。無観客や中止といった最悪のシナリオまで想定に入れる必要が出てきた。組織委の武藤敏郎事務総長は厳しい世論について「それはそうだね。今後の状況いかんだろうね…」と、受け止めた。本来なら祝祭ムードに包まれるべき時期に、逆風ばかりが吹く。

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