◆報知新聞社後援 第97回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)復路(3日、読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107・5キロ)
明大が26秒差でシード権を逃した。10位と38秒差でタスキを受けた10区の長倉は、懸命に脚を動かしたが、ペースが上がらず「なかなか差が縮まらなくて気持ちの焦りが少しあった」。10位・東京国際大の背中を視界に捉えながら、わずかに及ばず「後輩にもチームにも申し訳ない」と声を震わせた。
全日本大学駅伝で3位に入るなど「4強」と前評判は高かった。72年ぶりの優勝も視野に3位以内を目指したが、往路はまさかの14位に沈んだ。復路はシード圏内を目標に切り替え、8区では大保(だいほ)が歴代2位の好タイムで激走。「最初で最後の箱根で、まさか区間賞を取れると思わなかった。一生の宝物になる」。1年時から期待されながら故障に苦しんだ4年生がチームを勇気付け、9区では2年生の富田が18キロ過ぎに一度は10位に躍り出たが、守り切れなかった。
登録16人中14人が1万メートル28分台を誇ったが、山本佑樹監督(43)が課題に掲げたのは「駅伝らしいラスト3キロの追い込み」だ。「あと数秒でも良ければ次の区間が楽になるという展開が多かった。より最後のもがきが大事。これから選手と話をしたい」。6人のメンバーが残る来季へ執念を磨いていく。
(林 直史)