【阪神】藤川球児氏&藤浪晋太郎 球児氏「千賀君に劣っていない」藤浪の復調秘話も…新春対談<上>

セ・リーグの5球団に見立てた餅をつく藤浪と藤川氏(左)(カメラ・渡辺 了文)
セ・リーグの5球団に見立てた餅をつく藤浪と藤川氏(左)(カメラ・渡辺 了文)

 スポーツ報知評論家の藤川球児氏(40)=阪神スペシャルアシスタント=が初仕事で阪神・藤浪晋太郎投手(26)と新春スペシャル対談した。虎の高卒ドラ1の2人がアツ~い“火の玉トーク”を展開。前編では、球児氏が「千賀君に劣っていない」と復活に太鼓判を押し、後輩の復調秘話を明かせば、藤浪もメジャーへの憧れや理想のプロ野球選手像など本音でたっぷりと語った。(取材・構成=小松 真也、中村 晃大)

 

 球児(以下、球)「明けましておめでとう!」

 藤浪(以下、浪)「明けましておめでとうございます!」

 球「評論家の最初の仕事で晋太郎にお願いした」

 浪「こちらこそ、ありがとうございます。でも、変な感じですね(笑い)」

 球「現役の時によく話はしていたからね。じゃあ、普段通りにいくよ(笑い)。早速だけど、入団してから3年連続2ケタ勝利をして、その後に我慢の時期に入った。振り返るとどう?」

  • 対談を終え、飛躍を誓った藤浪(右)に期待を寄せた藤川氏
  • 対談を終え、飛躍を誓った藤浪(右)に期待を寄せた藤川氏

 浪「今思えば、最初の3年間は右も左もわからないまま、ベテラン捕手の方々に勝たせてもらっていました。それが年齢を重ねるにつれて変わってきて…」

 球「俺が15年オフに阪神に戻った時には、もう相当な重圧がかかっていたはず。藤井さん、鶴岡さんら先輩捕手が引退して、リュウ(梅野)が軸になった。『自分がやらなきゃいけない』と追い詰めていた?」

 浪「そうですね…。自分でやらないといけない立場になって、逆にいろいろやり過ぎたかなと。ここ最近のオフもやるべきことがまとまらず、悩んでいました。でも、今オフは『この投げ方があるから』と迷いなくできています」

 球「俺はリリーフ経験に関係なく、2軍で14三振を記録した時に光は見えていたと思っている(※1)」

 浪「そうですね。自分も中継ぎをしたから良くなったというわけではなくて、その前からいい状態にあったのかなと思っています」

 球「(2軍戦の)登板4日前ぐらいに練習方法の話をしたよね。インステップを気にしないようにして、手首が立つ投げ方で直球もスライダーも縦に切れるようになった」

 浪「それは自分も感じています」

 球「幹がちゃんとしたから、足を上げる段階で困っていた投球フォームに不安がなくなり、思いきり腕を振ることができる状態に落ち着いた。仮に投球フォームを10行程に分けるなら、以前は2、3のあたりで悩んでいたのが今は8、9、10のところ。あとは、どんな投手でも悩む、球種の変わり目や技術の部分だね」

 浪「球児さんとは技術論の話をさせていただくことが多かった。本当に、最後の最後までたくさん助言をいただきました」

 球「今年は先発とリリーフ、どっちがしたい?」

 浪「先発です。両方を経験したことで、より先発をやりたいと自分に素直になろうと思いました」

 球「それは正解! 俺は正直、晋太郎に期待しかない。千賀君(ソフトバンク)に全然劣っていないと思うし、MVPも取ってもらいたい。海外FA権を取得したら、個人的にはメジャーでプレーする姿も見たい」

 浪「今は当然、阪神で全力を尽くすことしか考えていませんが、メジャーはもちろん、以前から興味があります。プロフェッショナルとして技術の最高峰ですし、チャレンジしたいという思いは勝負している、そういう世界で生きている人間としては持っています」

 球「メジャーへの憧れは昔から?」

 浪「昔から…でもプロに入ってから余計にですね」

 球「最初の活躍した3年間があって、沈んだ時に『もうダメかも』という底から作り上げたものって簡単には壊れない。今の方がより現実的に考えられるんだと思う。俺は引退したから、晋太郎にはプロ野球ファン、子供たちに夢を与える存在になってほしい」

  • 06年7月21日のオールスター第1戦(神宮)で9回に登板し、「予告ストレート」で盛り上げた藤川氏
  • 06年7月21日のオールスター第1戦(神宮)で9回に登板し、「予告ストレート」で盛り上げた藤川氏

 浪「自分の中では球児さんのオールスターでの予告ストレートが強烈に印象に残っていて、あれこそが子供たちに憧れられる『THEプロ野球選手』だと思うんです(※2)。グラウンドに出てきただけで空気が変わり、拍手をもらえて」

 球「晋太郎もリリーフの時にそういう雰囲気があったよね」

 浪「自分で言うのはおこがましいですが、本当にありがたいことに拍手とかたくさんいただいて。そういう選手になりたいって気持ちはここ1、2年で芽生えました」

 球「本当の意味で認められ始めた証。それがタイガースファンの温かさだよ」

 ※1 20年9月20日のウエスタン・リーグ、中日戦(鳴尾浜)に先発して7回5安打1失点と好投。不振で2軍降格後初実戦マウンドに上がり、毎回の14三振を奪った。最速155キロをマークし、目立った直球の抜け球はなかった。

 ※2 06年7月21日のオールスター第1戦(神宮)で9回に登板。カブレラ(西武)に握りを見せる「予告ストレート」で盛り上げ、続く小笠原(日本ハム)を含めた全10球の直球勝負で連続三振に仕留めた。

 ◆藤川 球児(ふじかわ・きゅうじ)1980年7月21日、高知市生まれ。40歳。高知商から98年ドラフト1位で阪神に入団。勝利の方程式「JFK」の一角を担ってブレイク。07年は当時のプロ野球記録の46セーブ。12年オフに米大リーグ・カブスに移籍。レンジャースを経て、15年6月に四国アイランドリーグplusの高知に入団。同オフに阪神復帰。今季限りで現役を引退し、今年1月に阪神の球団新ポスト「スペシャルアシスタント」就任。NPB通算782試合に登板し、60勝38敗243セーブ163ホールド、防御率2・08。MLBでは29試合で1勝1敗2セーブ1ホールド。

 

 ◆藤浪 晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年4月12日、大阪・堺市生まれ。26歳。小学1年から野球を始め、中学時代に所属した大阪泉北ボーイズでは3年時に日本代表で世界大会出場。大阪桐蔭高では3年時に史上7校目の甲子園春夏連覇。4球団競合の末、12年ドラフト1位で阪神入団。セ46年ぶりの高卒1年目から3年連続2ケタ勝利を達成し、15年に最多奪三振で初タイトル。通算152試合で51勝46敗、防御率3・32。197センチ、100キロ。右投右打。年俸6000万円。独身。

  • 藤浪晋太郎(阪神)の年度別投手成績

    藤浪晋太郎(阪神)の年度別投手成績

 ※新春対談<下>はこちら

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06年7月21日のオールスター第1戦(神宮)で9回に登板し、「予告ストレート」で盛り上げた藤川氏
藤浪晋太郎(阪神)の年度別投手成績
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