コロナ疫病を撃退する妖怪「アマビエ」の正体はイノシシの蜃気楼か…富山・魚津埋没林博物館で仮説

「特別天然記念物 魚津埋没林博物館」の水中埋没林
「特別天然記念物 魚津埋没林博物館」の水中埋没林

 新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年の「ユーキャン新語・流行語大賞」トップテンに選ばれた妖怪「アマビエ」。疫病をおさめるといわれてきた江戸時代に誕生した妖怪だが、その正体は「イノシシの蜃気楼か」という説が紹介されている。

 「Japanese Beauty Hokuriku」を展開中の富山県にある「特別天然記念物 魚津埋没林博物館」(魚津市、石須秀知館長)では、「埋没林としんきろうの不思議」をテーマに2000年前の巨木が出土した埋没林の展示と自然現象の蜃気楼の丘が名物となっている。同館の佐藤真樹学芸員(35)は「アマビエはイノシシの蜃気楼?」という仮説を立てた。「半人半魚の妖怪アマビエは、肥後国(熊本)の海中に出る」、「肥後国は不知火(しらぬい)=蜃気楼が有名」、「九州周辺の海はイノシシが泳ぐ」ということからの仮説だ。

  • 妖怪「アマビエ」の正体はイノシシの蜃気楼という仮説展示
  • 妖怪「アマビエ」の正体はイノシシの蜃気楼という仮説展示

 蜃気楼は温度差のある大気層の間で屈折した光が見せる自然現象。10~20キロほど先の風景が引き延ばされて、あるいは背中合わせの虚像をともないながら刻々と形を変える。海で泳ぐイノシシが何に見えてもおかしくはない。

 佐藤氏が流行語大賞「アマビエ」の受賞者になった妖怪研究家の湯本本豪一氏(湯本豪一記念日本妖怪博物館三次もののけミュージアム名誉館長)に問い合わせたところ「自然現象をもとに妖怪を想像してきたので、考え方としては面白いのでは」との回答だった。「証拠が見つかったわけではありません。考え方として面白いのでは?という所」(佐藤学芸員)としながらも、「魚津埋没林博物館」の展示コーナーでこの説をイラスト入りで解説している。

 ◆アマビエ 半人半魚の妖怪。「病が流行したら私の写し絵を人々に見せよ」と告げて海に消えたという言い伝えがある。もともと江戸時代の瓦版に描かれたものだったが、新型コロナウイルスの終息を願うため、さまざまなアレンジが加えられたアマビエのイラストが登場した。

  • 「特別天然記念物 魚津埋没林博物館」埋没林のメイン展示
  • 「特別天然記念物 魚津埋没林博物館」埋没林のメイン展示

 ◆「特別天然記念物 魚津埋没林博物館」 富山県魚津市釈迦堂814。入館料640円(小中学生260円)。約2000年前に片貝川の氾濫によって流れ出た土砂がスギの原生林を埋め、その後、海面が上昇して現在の海面より下に。博物館では埋没林と、富山湾に発生する蜃気楼の2つの不思議に出会える。

  • 木型で北陸新幹線の和菓子づくり体験(南砺市の田村萬盛堂)
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 JR西日本では北陸新幹線開業5周年と「Japanese Beauty Hokuriku」を富山、石川、福井で展開中(hokuriku‐w7.com/jbh/)。南砺市では新幹線木型で和菓子づくり体験などのプランを実施。和菓子店「田村萬盛堂」で、正面向きと横向きの2種類の新幹線デザインの菓子木型を用いて「食べられる新幹線」を作ることができる。

  • 黒部市の宇奈月麦酒館で、宇奈月地ビールを堪能
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 富山では黒部市で宇奈月地ビール工場見学プランを実施している。自然豊かな黒部の地ビール「宇奈月ビール」は黒部川の伏流水を使用して造られている。道の駅「うなづき」にある「宇奈月麦酒館」では通常見られない場所まで特別見学でき、「北陸新幹線5周年シールつき地ビール」がついてくる。

「特別天然記念物 魚津埋没林博物館」の水中埋没林
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