井上真央、女優としてのこだわりは「自分の延長線上で演じること」

主演映画のインタビューに応じ、来年の抱負も語った井上真央  
主演映画のインタビューに応じ、来年の抱負も語った井上真央  

 女優・井上真央(33)の7年ぶりとなる主演映画「大コメ騒動」(本木克英監督)が来年1月8日に公開(富山県内は元日先行公開)される。米価の高騰で困窮する役柄のため、米を断って減量。富山弁も習得した。20代にしてNHKの朝ドラと大河ドラマ両方で主演を務めた実力派女優は「仕事で手応えを感じたことは一度もない。毎回、緊張して新鮮な発見があるから頑張れる」と謙虚な姿勢で作品に取り組んでいる。(有野 博幸)

 7年ぶりの主演映画。井上は真っ黒に日焼けし、頬がそげるほど痩せた姿で3人の子供を育てる松浦いとを演じた。「米の値段が上がって食べられない役なので、撮影に入るちょっと前から米を食べないようにして減量しました」。空き時間や移動中には方言指導の講師に録音してもらった音源に耳を傾け、富山弁を習得した。

 貧しい漁師町で、漁に出かけた夫の留守を守る女性たちの物語。いとは控えめな性格だが、徐々にリーダーシップを発揮していく。「『自分が立ち上がらないといけない』と引っ込み思案なところから最後には、たくましくなっていく、その成長を見せられたら」。撮影では米俵を背負って砂浜を歩き、赤ん坊をおんぶして、あやす場面も。「常に何かを背負っていて体力的にも大変でしたが、達成感があります」

 地元・富山出身の室井滋(年齢非公表)を始め、鈴木砂羽(48)ら女性が多く、活気あふれる現場だった。「室井さんは衣装のままで、差し入れを買いに行ったり、鈴木さんも場を盛り上げてくれて、心強かった」。約100年前の物語だが、ウイルスに立ち向かう現代に通じる部分も。「一般市民が力を合わせて、大きな動きになっていく爽快感を味わうのもいいし、今の時代に重ねてもいい。コロナで大変な時代ですけど、明るい娯楽を提供したい」

 女優として「内面からにじみ出るものを大事に」と心掛けている。「いろんな役をやらせていただきますが、自分の中にあるものと役柄を重ねるようにしています。自分の延長線上で役を演じるということ。声色を変えても、見た目を変えても、元々自分が持っているものしか出せない。自然に出てくるものを出すようにしています」。それが自然体で役柄を演じる秘けつだという。

 朝ドラや大河ドラマの主演を経験し、名実共に日本を代表する女優の一人だが、意外にも「いまだに仕事で手応えを感じたことはない」。現状に満足せず、謙虚な姿勢で「現場ではいつも緊張するし、新たな発見がある。だから、新鮮な気持ちで頑張れる」。食べることが大好きで心の支え。「大変な撮影でも、これを頑張ったら、おいしいご飯を食べようと思って、自分を奮い立たせています。お酒も好きなので、おいしいワインはご褒美感がありますね」と笑う。

 5歳で子役デビュー以来、着実にキャリアを重ねてきた。「気付いたら、続いていたという感じ。何事も長続きしないタイプだけど、このお仕事だけは違う」。新たな作品に取り組むたびに「お芝居は難しいし、人間関係も難しいなと思うことばかり。ただ、長く続けてこられた、という自負はあります」と胸を張る。

 コロナの影響で不自由な生活を余儀なくされ、「当たり前のように続けられる仕事じゃないと思い知らされた。周りの人との出会いや支えてもらえることが本当にありがたいと思える」。これまで走り続けてきた女優人生だが、「立ち止まって、仕事への向き合い方を考える機会になりました。答えはまだ出ません」。コロナ禍を生きる新様式を模索している。

 ◆「大コメ騒動」 1918(大正7)年、富山県の漁村で起こった米騒動をモチーフにした物語。日本の女性が初めて起こした市民運動ともいわれる出来事で活躍した松浦いと(井上)ら、おかか(漁師町の女性)たちにスポットを当てる。ある日、米の高騰に悩まされたおかかたちは、米の積み出し阻止を試みるも失敗に。その騒動は新聞に報じられ、全国へと広まっていく。その後、おかかたちは、さらなる行動に出る。106分。

 ◆井上 真央(いのうえ・まお)1987年1月9日、神奈川県生まれ。33歳。5歳で子役デビュー。2005年のTBSドラマ「花より男子」で注目され、NHK連続テレビ小説「おひさま」(11年前期)でヒロイン、大河ドラマ「花燃ゆ」(15年)で主演。映画は日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した「八日目の蝉」(11年)のほか、「白ゆき姫殺人事件」(14年)、「カツベン!」(19年)、「一度も撃ってません」(20年)など。趣味は観葉植物を育てること。身長158センチ。血液型O。

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