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【中日】阿知羅拓馬は柔道整復師を目指し4月から専門学校へ 「感謝したい」3人のコーチに導かれたプロ1勝…第二の人生、羽ばたく

スポーツ報知
プロ初勝利を挙げた阿知羅拓馬(右)はウイニングボールを手に与田剛監督に祝福される

 中日を戦力外になった阿知羅拓馬投手(28)は現役を引退し、柔道整復師を目指して専門学校に通うことを決めた。「うまくいかないことがほとんどだった。毎日『どうすれば結果が出るか』を自問自答し続けた7年間だった。考えることから解放されて今はよく寝られます」。こちらが拍子抜けするほどの明るい表情。「結果に納得はできなかったが、自分のやれることはやった」と胸を張った。

 大垣日大高からJR東日本を経て2013年ドラフト4位で中日に入団。プロ7年間で24試合に登板し1勝4敗、防御率4・84だった。長身から投げ下ろす角度ある直球は独特の“動く”ボールでもあり、初勝利を挙げた19年は7試合に先発した。派手な結果を残すことはできなかったが、阿知羅にとってかけがえのない7年。特に大きかったのは「感謝したい」3人の指導者の存在だった。

 一人は大塚晶文国際渉外担当(48)だ。「大塚さんに人生を変えてもらった」。2015年のフェニックス・リーグで初対面。2軍投手コーチとして着任後は熱血指導を受けた。「当時の僕が相当ひどい投げ方してて『何とかせなあかん』と思ってくれたのかも…」。遠征先の宿舎では必ず夜に部屋へ呼ばれて、2時間ひたすらシャドーピッチング。エクササイズや体の動かし方も教えてもらい130キロ後半まで落ちていた直球が150キロ近くに迫った。「大塚さんのおかげで『これや』という感覚をつかみ、16年に1軍で投げることができた」。コーチを離れた後も「ゴルフの打ちっ放しいくぞ」と言われついて行ったが、結局ゴルフ練習場で1時間シャドー。ゴルフの打ちっ放しをしながら野球談議するほど面倒を見てもらった。

 二人目はオリックス・高山郁夫投手コーチ(58)。同コーチが中日の2軍投手コーチを務めていた16年から2年間指導を受けた。当時中継ぎ登板しか頭になかった右腕は「高山さんからはロングリリーフや先発する機会をもらって、僕の投手としての幅が広がった」と可能性を見いだしてもらった。三人目の門倉健2軍投手コーチ(47)には「19年の春のキャンプで(心もフォームも)小さくなっていた僕を大きくしてくれた」とワインドアップを進言され実行した。阿知羅は「結果的には1勝しかできなかったし、西武やソフトバンクにぼこぼこ打たれましたけど、19年は一番充実してて楽しい1年間だった。お世話になった方に少しだけ恩が返せたのかな」と感謝を忘れなかった。

 4月からは10歳以上も年の離れた30人の“同級生”たちと「学校法人セムイ学園 東海医療科学専門学校 柔道整復科」で勉学に励む。最初はスマホで検索して東海から関西圏の専門学校を20~30校資料請求。実際に学校見学もいった。古巣JRグループからホテルマンの話もあったが「身近にトレーナーさんもいてその需要性を見ていた。プレーヤーとしてやってきた自分もいる。もう一度しっかり勉強して、自分の道を切り開ければいい」。開業の夢もあるが、まずは3年間必死に机に向かう。社会経験を増やすため飲食店でバイトもする予定だという阿知羅は「僕も多くの先輩や指導者の方にお世話になった。今度は誰かの“先生”になってアドバイスできたらいい」。新たな夢へと歩み始めた。(中日担当・長尾 隆広)

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