◆フィギュアスケート ▽全日本選手権 最終日(27日、長野・ビッグハット)
全日本選手権で優勝した羽生結弦(26)=ANA=が27日、来年3月にストックホルムで行われる世界選手権の代表に決まった。日本スケート連盟が羽生ら男女6選手を発表。羽生は2017年大会以来4年ぶり3度目の優勝と、22年北京五輪の枠取りがかかる一戦。会見した羽生は、「全力で自分の役割をまっとうしたい」と意気込んだ。
羽生は8度目の世界選手権へ、2つの責務遂行を誓った。
「今回は全日本の王者として行く世界選手権になる。いろんな世の中の情勢はあるが、まずは日本人の一人として胸を張ってその試合で行動できるようにしたい。その上でいい演技もしっかりやって、北京五輪の代表枠も懸かっているので、全力で自分の役割をまっとうしたい」
最大3の北京五輪枠取りへの貢献と、新型コロナウイルスの感染拡大防止の行動模範を世界に発信していく。
新型コロナ禍で、昨季の世界選手権(モントリオール)は中止になった。19年大会までネーサン・チェン(米国)が連覇している。海外で気になる選手はいるかと問われた羽生は「もちろんネーサン選手の動向とか気になってはいます」としながらも、あくまでも対自分の姿勢を強調。「レベルアップしたいことは4回転アクセルだったり、このプログラム自体をどういうふうに進化させていくのか、深めていくのかが大事。そこをしっかりやっていきたい」と答えた。
今大会3位に入り、シニア1年目で初切符を手にした鍵山優真(17)=星槎国際高横浜=を気にかけた。目標やライバルについて慎重に言葉を選ぶ鍵山の方を振り返り「そういうのはいらないよ」と優しく語りかけた。「全日本でも優勝したいと言っていた。その気持ちに嘘はつかないでほしいし、その気持ちを胸に頑張ってほしい。彼の強さは負けん気の強さ。そこが一番の武器なので大事にしてほしい」と背中を押した。
今大会を終え、羽生は選手や観客に、コロナ対策が行き届いていることを実感した。「僕らこのメンバーでしっかりとその姿を世界にも、日本にも見せていかないと」。4年ぶり3度目の優勝がかかる大一番へ、心を燃やした。(高木 恵)