新谷仁美「酔いしれている場合ではない」複数種目日本新をステップに五輪メダル目指す

練習を公開した新谷仁美
練習を公開した新谷仁美

 4日の陸上の日本選手権女子1万メートルで18年ぶりの日本新記録となる30分20秒44をマークして優勝し、東京五輪代表に内定した新谷仁美(32)=積水化学=が25日、都内で練習を公開した。来夏の五輪ではメダル獲得を目標に掲げ、「それまでに、まず5000メートルで日本記録を出したい。そこをクリアした後は、ハーフマラソンぐらいの距離と3000メートルのショートな距離でも記録を狙いたいですね」と複数種目での日本新をステップとするプランを明かした。

 練習後、取材に応じた新谷はサポートを受けているナイキや明治、所属する積水化学やTWOLAPSといった“チーム新谷”への感謝を述べつつ、「(日本選手権から)日にちは経っていますが、『おめでとう』という言葉をSNSなどを通じてたくさんいただいている。ただ、うれしい気持ちはあるが、私自身はそこに酔いしれている場合ではない」と引き締まった表情で話した。練習は継続しつつ、心も体もリフレッシュ。「次の戦いや1ランク上で戦うには、さらに準備しないといけない。タイムなら29分台じゃないと勝負にならない。そういう準備をしている途中です」。日本新記録での代表内定も通過点としてとらえている。

 五輪の舞台でも、新谷らしさで勝負する。現時点での課題については「後半2000メートルぐらいはフォームが崩れ始めているのは実感していました。映像見ても、ラスト1週とかはがっつり崩れている。そこを改善できれば、さらに余力持って走れると思う」と分析。指導を受ける男子800メートル前日本記録保持者・横田真人コーチと話し合いながら、強化プランを練っている。レースプランについては「単純にスピードより、総合タイムを近づけて、私の土俵に持っていく方が結果に結びつく」とまずは自己記録を世界水準に引き上げることを優先。その上で「世界のトップクラスは29分30秒を切るが、29分台ランナー自体は少数。振り切れればメダル近づくので、3分を切るペースで9000まで行ければ、結果的には思い描いているところに近づく。スピードを強化しないわけではなくて、武器であるリズムを強化していき、(1000メートルあたり)3分のペースを楽に走れるようにするのが第一段階かなと思います」。積極的な走りで後続をふるい落とし、勝ちパターンに展開していくつもりだ。

 来季のスケジュールについてはコロナ禍ということもあり未定だが、記録を狙うレースを想定している。「5000メートルはタイムを狙いたいので、日本選手権を含めて2、3本。1万メートルで29分台出すために、(5000メートルの)日本記録更新というのは最低条件と思っています。あとはハーフかロードレース10キロなどが海外で開催されれば出たい。ショートとしては3000メートルに挑戦したいですね」。当初プランの1つに上がっていたフルマラソンは五輪後に、1万メートルは選考レースと五輪本番のみとなりそうだ。

 躍進の1年になった今季について、「記録狙いに行った1年だなと。今後にはつながるけど、勝負の世界。勝負するという形を私が取れていなかったのは反省点」としつつ「来年は勝負の年なので勝負して勝ってタイトルを持って帰りたい」と宣言。有言実行の絶対女王は、次なる獲物に照準を絞っている。

 ◆新谷 仁美(にいや・ひとみ)1988年2月26日、岡山・総社市生まれ。32歳。総社東中で陸上を始め、興譲館高時代には2005年世界ユース3000メートル3位。卒業後は豊田自動織機に進み、佐倉アスリートクラブ、ユニバーサルエンターテインメントなどに所属。07年東京マラソン優勝。12年ロンドン五輪1万メートル9位、13年モスクワ世界陸上同5位。14年に引退も、18年6月現役復帰。166センチ、43キロ。

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