栗原恵さんがフェンシング界初の姉妹同時五輪代表の東莉央・晟良の素顔に迫る「勝ちたい。でも負けてほしくない」

リモートで対談したフェンシング・東莉央(中)、晟良(左)の姉妹と栗原恵さん(カメラ・清水 武)
リモートで対談したフェンシング・東莉央(中)、晟良(左)の姉妹と栗原恵さん(カメラ・清水 武)
剣を手にポーズを決める東莉央(右)、晟良の姉妹(左上も)
剣を手にポーズを決める東莉央(右)、晟良の姉妹(左上も)
髪をブリーチして紫を入れていた莉央(マザーランド提供)
髪をブリーチして紫を入れていた莉央(マザーランド提供)
(左から)東晟良、姉の莉央
(左から)東晟良、姉の莉央
フェンシングの東莉央、東晟良姉妹とリモート対談をした栗原恵さん
フェンシングの東莉央、東晟良姉妹とリモート対談をした栗原恵さん
対談した東姉妹(左・莉央、右・晟良)のデジタルアート(イラスト・栗原恵)
対談した東姉妹(左・莉央、右・晟良)のデジタルアート(イラスト・栗原恵)

 元バレーボール女子日本代表のスポーツコメンテーター、栗原恵さん(36)の女性アスリート対談企画「MEG’S ROOM Lady go!」の第3回ゲストは、フェンシング女子フルーレの東莉央(あずま・りお、22)、晟良(せら、21)の姉妹。晟良は既に来夏の東京五輪代表を確実にしており、日本フェンシング界初となる姉妹同時出場、女子でのメダル獲得と、ダブル快挙が期待される2人の素顔に迫った。

 栗原さん(以下、栗)「一緒に生活されているとお聞きしました」

 莉央(以下、莉)「洗濯、ゴミ捨てとか分担なく、2人でやってます」

 栗「得意なお料理は?」

 莉「私は和食を作ります。基本的に和食が好きなので」

 晟良(以下、晟)「煮込みとか、トマト缶を使った料理が好きです」

 栗「仲が良い! けんか、しますか?」

 莉「しますけど、ちっちゃいもので」

 晟「今はないけど、小さい頃は殴り合いでした」

 栗「車の中で大変なことになったそうで…」

 莉&晟「(2人で爆笑)」

 莉「晟良の足がここらへん(顔)にあって、自分(の顔)が車の窓に」

 晟「莉央が殴ってくるの、ほんまに痛くて怖いんで、足で押さえんと死ぬかと」

 莉「車の窓割れるかと。ハンパなかった(笑い)」

 【姉妹の絆】

 栗「小さい頃からともに競技を続けてきたお二人。姉妹の絆を感じる瞬間は?」

 晟「最近、頭の中で思ったことがかぶる。テレビ見ていて言おうとしたことや、口ずさもうと思った歌とか、先を越されたりします」

 莉「一番絆だなと思うのは、自分の試合の後に応援に行ったり来たりすること」

 栗「晟良さんが2018年の全日本選手権で優勝した際、莉央さんと抱き合って喜んでいたのが、とても印象的でした」

 莉「自分は準々決勝で負けて、晟良が別会場で決勝になって。もちろん晟良と戦う時はライバルなので勝ちたい。けど、晟良が他選手と試合をする時は勝ってほしいので応援する」

 晟「莉央も負けた後にベンチにつくのは嫌やったと思う。でも応援して喜んでくれて。すごく感謝してる」

 栗「とてもステキです。お手紙のやりとりはします?」

 莉「晟良は誕生日の時にくれます。自分は出さないけど。去年と今年は『東京オリンピック 一緒に出ような』と。小さい頃から2人でやってきて負けたくない気持ちもありましたけど、切磋琢磨(せっさたくま)して頑張ってこられたのが良かったと思います」

 【五輪が延期に】

 栗「東京五輪が来夏に延期になりました」

 莉「調子が上がって、このままいけるかなと感じていたので、すごい残念な気持ちでした。今は出場権を取れるように向かってます」

 晟「自分は次の大会が決まった時にちゃんと力が発揮できるかなと、不安もだんだん募っていて…」

 栗「それでもプラスはあると思います!」

 晟「ですよね! 練習の大切さ、フェンシングの楽しさを改めて感じることができましたし。莉央と一緒に練習して、毎日コツコツすることがすごく大事なんだなと思いました」

 莉「私は自分を見つめ直す時間が増えたことが良かった。改めて何が足りないのかと。それに、相手の動きを見て動く練習は相手がいてこそできる。晟良がいてくれて良かったと思います」

 栗「つらい時、心が折れそうな時に、気持ちを奮い立たせる方法はありますか」

 晟「つらいことや嫌なことを2人で吐き出してスッキリしたりします」

 栗「本心をさらけ出せる存在がいるのはいいですね」

 晟「はい。けっこう、楽になります!」

 【莉央は鬼滅風ヘアを】

 栗「プライベートのお話も。莉央さんは紫が好きですね」

 莉「(剣の)グリップ、携帯のケース、iPadのケースも紫です(笑い)。服も紫。淡い紫はピンクっぽくて。ピンクはあまり好きではないし。今日のヘアゴムは紫ですよ!」

 栗「しっかりと紫ですね。好きになったきっかけは?」

 莉「小学校の頃から、気付けば紫だらけで(笑い)」

 栗「『鬼滅の刃』風のヘアスタイルみたいにインナーカラーを入れたいですか?」

 莉「鬼滅が流行する前から、ブリーチして紫を入れていましたよ(ドヤ顔)」

 栗「へぇ~! そうだったんですね。SNSで発信はしないのですか?」

 莉「基本的にはあまり。でも、写メ撮って楽しんでます。見ますか?」

 栗「見たい、みたい!(写メを見て歓喜)」

 【晟良はピンクが好き】

 栗「晟良さんはピンクが好きかと」

 晟「ピンクが好きですね! 自分も髪をピンクにしたことあります。最近はずっとなんでもピンク。黄色もいいなと思います」

 栗「してみたいヘアスタイルは?」

 莉&晟「全頭ブリーチしてみたい!(笑い)」

 栗「美人姉妹ですから似合いそう! 試合を終えて防具を取ったら絶対かっこいいと思います」

 栗「莉央さんはYouTube視聴が趣味と聞きました」

 莉「東海オンエア(愛知・岡崎市が拠点の6人組グループ)というユーチューバーがいて、誰もやりたがらない検証をしたり、面白いんです。晟良は外国人が好きなんだよね(笑い)」

 晟「私はサッカー好きで。ネイマール選手が大好き」

 栗「趣味の話をすることってあるんですか?」

 晟「しないよね(笑い)。いいねと納得も絶対しない」

 莉「全然違いすぎて触れることもない(笑い)」

 栗「では、好きな男性のタイプも真逆だったり?」

 莉「そんな話もしないです(笑い)。あの人かっこいいね、とは話しますけど」

 栗「晟良さんはネイマール選手に会ってみたい?」

 晟「一度、フランス合宿でパリSG所属のネイマール選手の試合を2回観戦して。めちゃくちゃかっこ良かったです。うふふ」

 栗「もし、1つだけ質問ができるよと言われたら?」

 晟「『あの~、ハグしてください!』って言う」

 莉「質問ちゃうやん! 欲望やん!(笑い)」

 栗「五輪の舞台でここを見てほしいとか、お互いのプレーの特長を教えてください」

 莉「晟良はさまざまな角度から突く、すごい勢いのある攻撃が見どころですね」

 晟「莉央は慎重なタイプで得点獲得の精度が高い。剣の操作が細かいし、うまい。粘り強い剣の動きです」

 栗「では、東京五輪での一番の目標を聞かせてください」

 莉「第一は個人での出場権を獲得すること。まだ最終選考が残っていますので」

 晟「メダルを取ること!」

 栗「具体的な色は?」

 晟「よく『金』を求められますけど、まずメダルを取ることを目指しています」

 栗「目標達成に必要なことは何でしょうか?」

 莉「防御を強くすること」

 晟「海外選手は身長が高くて、日本人には有効な得意のアタックを回避されるので攻撃の種類をもっと増やしたいです」

 栗「お二人とも本当に強くて、かわいくて、かっこいいです。心から応援しています」

 ◆個性は正反対―個々の魅力もっと知って

 姉妹そろって国内ランキング1、2位を競っている東莉央さんと晟良さん。姉妹での活躍は素晴らしく、話題性もあるのでセットで取り上げられることが幼少期から続いている彼女たち。きっと本人たちからすると「ちゃんと一人一人を見て」と思うはず…。と、私自身が「メグカナ」として同い年の大山加奈とともに取り上げてもらった経験があるからこそ、今度は取材させてもらう側として少し複雑な思いがありました。

 プレースタイルも性格も、プライベートの趣味まで全く違うという莉央さんと晟良さん。幼い頃からずっとともに切磋琢磨してきたからこそ、お互いの良さはやはりお互いが一番分かっているように思いました。比較される苦悩も、それを乗り越えて強みに変えられるところまで来ているのかなと、お話の随所に感じ取れました。

 莉央さんの「他の人が優勝するなら晟良に勝ってほしい」という言葉に全てが表れているように思います。姉妹での魅力はもちろんですが、個々の良さにも改めて注目し、さらにたくさんの人たちに彼女たちの活躍や魅力を知ってもらいたいと心から思いました。

(栗原 恵)

 ◆東 莉央(あずま・りお)1998年7月27日、和歌山県生まれ。22歳。小学5年の時、母の影響で妹・晟良とともに競技を始め、当初から姉妹ともにフルーレが専門。和歌山北高3年時に2016年の全国高校総体個人で優勝、晟良が準V。17年に日体大進学。158センチ。

 ◆東 晟良(あずま・せら)1999年8月20日、和歌山県生まれ。21歳。2017年の全日本選手権で女子フルーレ最年少優勝。和歌山北高から18年に日体大に進学。同年の全日本で連覇。昨年6月のアジア選手権団体で同種目日本初V。157センチ。

 ◆栗原 恵(くりはら・めぐみ)1984年7月31日、広島・能美町(現・江田島市)生まれ。36歳。LDH JAPAN所属。小学4年からバレーボールを始め、山口・三田尻女(現・誠英)高で全国大会4冠を達成し、同3年時の2002年に日本代表デビュー。04年アテネ、08年北京と2度の五輪に出場し、ともに5位。10年世界選手権で銅メダル。19年で現役引退。187センチ。月刊バレーボールでコラムを連載中。

 ◆フェンシングめも 3種目あり、フルーレが基本形。「突き」だけで戦い、ジャケットを着た胴体部分とマスクの一部(首元付近)が有効な攻撃エリア。エペは決闘が競技化された種目で、使うのは「突き」だけ。攻撃有効エリアは全身。サーブルはハンガリー騎兵隊の剣技が由来。「突き」に加え「切り」も用いて、頭を含む上半身の全てが攻撃有効範囲。五輪では、08年北京大会男子フルーレ個人で太田雄貴(現日本協会会長)、12年ロンドン大会同種目団体で太田ら男子がともに銀メダル獲得。

 対談企画恒例の栗原さん自筆のデジタルアートの肖像画が、東姉妹にプレゼントされた。莉央(左)は紫、晟良はピンクで、厳しい勝負の世界で切磋琢磨する姉妹の仲の良さと、ほんわかとした素顔を、2人のお気に入りのカラーで表現した。

リモートで対談したフェンシング・東莉央(中)、晟良(左)の姉妹と栗原恵さん(カメラ・清水 武)
剣を手にポーズを決める東莉央(右)、晟良の姉妹(左上も)
髪をブリーチして紫を入れていた莉央(マザーランド提供)
(左から)東晟良、姉の莉央
フェンシングの東莉央、東晟良姉妹とリモート対談をした栗原恵さん
対談した東姉妹(左・莉央、右・晟良)のデジタルアート(イラスト・栗原恵)
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