19年アジアマラソン選手権覇者の神野大地(27)=セルソース=が21日、東京・渋谷区立富谷小学校でランニングクリニックを行った。自身がプロデュースする「RETOプロジェクト」の一環で、子供たちと約2時間、体を動かしながら走ることの楽しさを伝えた。
今月3校目の訪問で、指導には徐々に慣れてきたが「回数を重ねる毎に『もっとこうしたい』というのが増えてきましたね」と向上心は尽きない。野球少年だった神野自身も、走ることの楽しさに気付いて本格的に陸上を始めた。「走ることはきついだけじゃない、ということを知って欲しい。楽しいからこそ、自分も今までやってこれた」と今後も競技の裾野を広げていくつもりだ。
6日の福岡国際マラソンでは28キロ付近で途中棄権。「ふがいない結果に終わってしまった」と肩を落とした。今後については1月からケニアで長期合宿を行うことも検討したが「2月のびわ湖に出ます。福岡の後なので調整の難しさはありますし、ケガなどで状況が変わればまた考える必要がありますが、自分の力をもう一度確かめたいというのが大きい」と来年2月28日のびわ湖毎日マラソンへの参戦を表明。8日のトークショーでは、同席した日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトの瀬古利彦リーダーから「びわ湖にも出たらいいんだよ!」とゲキをとばされていたが、実現する形となった。
今後の大きな目標は「24年パリ五輪出場です」と掲げる。「そのためにも、福岡は不完全燃焼で終わってしまったので自分らしいレースをしたい。記録としては、現実的にサブ10(2時間10分切り)です」。4年後を見据えて、「3代目・山の神」が新たな山を上り始めた。