コロナ対策効果?インフル患者が激減…昨年22万人以上も今年は383人だけ!!

インフル患者数推移
インフル患者数推移

 新型コロナウイルスの第3波が襲来する中、今冬に同時流行が懸念されていたインフルエンザの患者数が、例年と比較して世界的に大幅に減っている。インフル感染報告が異例の低水準になっている背景や、現在も感染拡大が続く新型コロナの今後の対策などについて京大ウイルス研究所・宮沢孝幸准教授に聞いた。(久保 阿礼、奥津 友希乃)

 例年、日本で1000万人前後がかかる季節性インフルエンザだが、厚生労働省によると、今年は全国約5000の医療機関を対象にした定点観測で、発生状況の取りまとめを始めた8月31日~12月13日までの患者報告数が、わずか383人だった。

 2019年の同時期には22万2940人、18年同時期には4万2878人の患者が報告されている。過去5年間(同時期)における平均患者数は約9万人で、今年はその0・5%以下にとどまるなど、異例の低水準となっている。

 宮沢氏はインフルエンザが激減している状況について「新型コロナウイルスが流行したことで、患者さんが病院に行かなくなかったためだろう」と分析。インフルはワクチンや治療薬もあるが、子供から高齢者まで毎年約3000人が亡くなっており、「インフルの検査そのものが減り、報告数も激減したのではないか」との見方を示した。

 また、新型コロナの流行により、手指消毒やマスクの着用などで公共施設などで衛生面が大きく改善したことも指摘。今年はノロウイルスなどの感染者も大幅減となっていることなどから、新型コロナ対策が一定の効果を及ぼしたと考えられる。

 さらに、あるウイルスに感染すると他のウイルスに感染しにくくなる「ウイルス干渉」が起きている可能性もある。新型コロナに感染することで、インフルエンザに感染しにくくなっている、という。

 同様の傾向は、世界でもみられる。海外メディアによると、欧州では例年最大約5000万人の患者が報告されているが、世界保健機関(WHO)などが欧州域内54地域からサンプルを集めた結果、陽性率はわずか0・02%と、昨年の同時期の陽性率15%を大きく下回った。米国でも国内の公的医療研究機関などの報告では、9月27日以来、インフル患者数は500件を下回っており、死亡例は1件もないという。

 ただ、インフルは、例年12月下旬~翌年2月上旬に流行のピークを迎えるため、新型コロナとの同時流行もまだ油断はできない。コロナ流行下でインフル患者が急増すれば、医療機関の負担増は免れない。宮沢氏は「政府や地方自治体は医療提供態勢の負荷を軽減できる施策を実行し、(新型コロナの)重症者・死者数をどれだけ減らすかということに注力すべき」と話した。

 ◆インフルエンザ インフルエンザウイルスによる感染症。日本では例年12~3月が流行シーズンで、高熱や頭痛、関節痛などが症状。主にA型とB型があり、さらに細かい亜型が存在する。予防には流行が予想されるウイルスの感染力や毒性をなくした不活化ワクチンが使われる。

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