eスポ選手の本名使用は是か非か?〈1〉根強い“ニックネーム文化”プライバシーに配慮…ぷよぷよ公式戦

最年少ぷよぷよプロの現役高校生「ともくん」。本名は公表していない(C)SEGA
最年少ぷよぷよプロの現役高校生「ともくん」。本名は公表していない(C)SEGA

 世界的なプロ格闘ゲーマーの「ときど選手」。デジタルカードゲーム『シャドウバース』1億円プレーヤー「ふぇぐ選手」。eスポーツ選手は基本的にニックネームで活動する。本名を明かしている人もいるが、非公表を貫く選手も多い。eスポーツがプロ競技として急速に注目度を高めていくにつれ、“違和感”も目立つようになってきた。eスポーツ選手の本名使用の是非について、eスポーツイベントを運営する関係者に聞いた。(平柳 洋希)

 プロスポーツでは、本名を明かさないケースはまずない。大相撲はしこ名で取組を行うが、本名を明かしていない力士はいない。各地のゲームセンターでのゲーム大会や、ネットを通じたオンライン対戦から発展したeスポーツは、ネット文化同様、本名を明かさずニックネーム(インゲームネーム)でプレーすることが独特の“文化”にもなっている。

 「eスポーツ選手が本名を明かす必要はないと思います」と話したのは、対戦型パズルゲーム『ぷよぷよ』でeスポーツ展開をするセガの細山田水紀プロデューサーだ。JeSU(日本eスポーツ連合)が認定する『ぷよぷよ』のプロは現在34人(うち女性2人)。公式戦では全員ニックネームを使用しており、本名非公表の選手が大多数となっている。

 「プロの中にはご自分の意思で本名を明かされている方もいますが、こちら側から本名を開示するようにとの指示は出していません」と細山田氏。11月に行われた公式大会『ぷよぷよチャンピオンシップSEASON3 STAGE2』の優勝者は18歳の現役高校生「ともくん」。未成年を含め、比較的若い世代がトッププロとして活躍しているが「本名を出すことで、ネット界隈(かいわい)で住所や家族などを特定されるなどして何らかの被害を受ける可能性はゼロではない。運営側としてはそうしたリスクはできるだけ避けたい。本名も個人情報ですから」

 『ぷよぷよ』では全国から広くプロを募集している経緯もある。「我々の理念としては、できるだけ多くの人にプロを目指してもらいたいと思っています。プレーヤーの中には、本名を出すことに抵抗がある人もいるかもしれない。本名開示が大会参加の障壁になるのだとしたらそれは我々にとっても残念なことですから」

 『ぷよぷよ』は昨年、国体の文化プログラムに採用され、全国から集まった参加者は、やはりニックネームで競技した。また今月、24年パリ五輪でブレイクダンスが正式競技に採用されたことが話題になった。28年ロス五輪ではeスポーツが新競技の候補に挙がっているという報道もあった。世界的な知名度を誇る『ぷよぷよ』が将来、五輪種目になる可能性もある。五輪選手としてもニックネームで参加するのだろうか。「もちろん、JeSUやJOC(日本オリンピック委員会)から要請があれば、検討はします。それでも私個人としては本名を出す必要はないと思っています」。五輪の話は時期尚早としても、選手のプライバシーを守りたいという一貫した思いがある。

 ◆ぷよぷよ公式戦 対戦型パズルゲーム『ぷよぷよeスポーツ』を使用したセガ公式の大会はプロ大会「チャンピオンシップ」、プロアマ混合大会「ぷよぷよカップ」、年間王者決定戦「ぷよぷよファイナルズ」からなり、アマ選手は「―カップ」で上位入賞することでプロへの道が開ける。今シーズン3回行われる「―チャンピオンシップ」と「―ファイナルズ」の優勝者には各100万円が授与される。

 ◆ぷよぷよと国体文化プログラム 2019年の茨城大会で初開催。20年の鹿児島大会でも開催予定だったが、新型コロナウィルスの影響で中止に。「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2020 KAGOSHIMA」として独自のeスポーツ大会となった。12月26、27日にオンラインで開催される。

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