【箱根への道】東海大・市村朋樹、得意の単独走で全日本の屈辱晴らす「7区以降で勝負したい」

東海大・市村(左から4人目)ら夏合宿で走り込む選手たち(カメラ・太田 涼)
東海大・市村(左から4人目)ら夏合宿で走り込む選手たち(カメラ・太田 涼)
日本インカレ1500メートルで9位に食い込んだ市村(右)
日本インカレ1500メートルで9位に食い込んだ市村(右)

 第97回箱根駅伝(来年1月2、3日)で、雪辱を誓うのがエリート軍団・東海大の市村朋樹(3年)だ。2連覇がかかった11月の全日本大学駅伝で2区を任されたが、区間19位の大ブレーキ。順位を10個落とし、総合で23秒差の2位に終わり、涙をのんだ。2歳下の弟・竜樹(たつき、19)が所属する実業団コモディイイダは元日のニューイヤー駅伝出場権を得ており、兄弟で日本の正月を“市村色”に染める快走を目指す。16日は東海大と前回3位・国学院大などがオンライン会見を行った。

 弱さを認めて、武器に変えた。初の箱根路を目指す市村は「練習が順調に積めている」と好調をアピール。今季はスピード強化に取り組み、9月の日本学生対校1500メートルで9位。5000メートルでも自己記録を更新した。勢いに乗っていたが、前回のVメンバーとして臨んだ伊勢路では苦難にぶち当たった。

 心に体がついてこない。トップと16秒差の7位でタスキを受けると「前日まで良い状態と思っていたのに、体が動かず、焦りばかりだった」。スタートからズルズルと後退し、周りの選手に置いていかれた。「こんなに早く終わってほしいと思ったレースはない」。集中力を欠いたまま何とか11・1キロを走り切ったが、中継所に着いた時には17位まで順位を落としていた。

 ただ、へこんでいる暇はなかった。レギュラー争いの激しいエリート軍団。両角速監督(54)からは「距離に合わせた走りをしなさい」と助言を受け、ジョグの時間を増やすなどして中距離仕様の走りからシフトチェンジ。「僕は集団走が向いてない、と認識できた。得意な単独走や、1人で走って前を追う区間が合うのだと思う」と箱根では単独走の展開になりやすい7、8区を希望する。「7区以降で勝負したい。前を追う展開や、自分が先頭で走る、どちらの場面にも対応していきたい」と勝負を決める走りを誓った。

 弟・竜樹が今春に埼玉・花咲徳栄高からコモディイイダへ進み、1万メートルの自己記録を2分以上更新。指導する会沢陽之介監督は「スケールが大きい。この期間で一気に伸びてくれたので期待値も高い」とルーキーながら元日のニューイヤー駅伝登録メンバーに入れた。“ライバル”の頑張りに兄は「成長速度を見ても負けていられない。励みというか、後ろから追い回されている感じ」と燃えている。21年正月、弟からタスキを受け、伊勢路の屈辱を箱根路で晴らす。(太田 涼)

 ◆東海大陸上部 1961年創部。箱根駅伝は73年に初出場し、19年に初優勝。出雲駅伝は優勝4回、全日本大学駅伝は優勝1回。長距離部員は57人、学生スタッフ9人。タスキ色は紺と白。主な陸上部OBは08年北京五輪男子400メートルリレー銀メダルの末続慎吾、塚原直貴、男子1万メートル日本歴代5位の佐藤悠基(SGホールディングス)。

 ◆市村 朋樹(いちむら・ともき)1999年5月7日、神奈川・大和市生まれ。21歳。瀬崎中から名門・埼玉栄高に進み、18年に東海大へ入学。2年時に全日本大学駅伝5区7位でチームの優勝に貢献。今年は中距離にも取り組み、日本学生対校1500メートル9位。自己記録は1500メートル3分48秒28、5000メートル13分48秒35、1万メートル30分28秒03。170センチ、58キロ。

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