1984年ロサンゼルス五輪以来の金メダルを目指す野球が、新生・侍ジャパンとして再出発する。19年の「第2回WBSCプレミア12」では初優勝。来年も世界一メンバーを中心に構成される中、今季のプロ野球レギュラーシーズンを経て、新戦力は現れるのか―。野球評論家の堀内恒夫氏に投手の“新顔”を推薦してもらった。
世界を相手に戦えるのは150キロ以上のストレートを投げ、スライダー、カーブが切れ、落ちる球を持っている投手だ。外国人選手は腕が長いから、少し間違うと持っていかれる。中途半端な球速や制球力では通用しないだろう。
日本の投手で通用しそうなのは変則投手だ。特に中継ぎの変則タイプは存在価値がある。左腕なら嘉弥真、高梨ら。中川も変則の部類に入るが、スピードもあるから面白い。右では高橋礼、牧田か。下手投げは海外にほとんどいないから貴重だ。
日本代表にとっての懸案は抑え。速い球を投げる投手は海外にはいっぱいいる。制球力もないと、国際大会では痛打を食らう。日本には160キロ近い球を投げる平良ら、候補を早く絞って抑えの仕事に慣らせることが大事だ。
先発陣は菅野と千賀の両輪か。菅野の実績と経験、千賀の速球とフォークは通用する。左腕では大野雄だ。国際大会では内角をストライクに取ってくれない。それでも内角を突いて体を起こしてから外角の変化球を使わないといけない。外角一辺倒の投球は餌食になることを忘れてはいけない。(スポーツ報知評論家)