【箱根への道】早大・太田直希、急成長で中谷雄飛とWエースだ 兄との見えないタスキリレー力に名門の意地見せる

エース・中谷とともにチームを引っ張る早大・太田直希(カメラ・矢口 亨)
エース・中谷とともにチームを引っ張る早大・太田直希(カメラ・矢口 亨)

 第97回箱根駅伝(来年1月2、3日)へ、最も勢いのあるチームが早大だ。自己記録更新が相次いだ今秋、エース中谷雄飛とともに二枚看板と呼ばれる太田直希(ともに3年)が急成長。全日本大学駅伝4区区間新や4日の日本選手権1万メートルで早大歴代6位の27分55秒59をマークした。主将を務め、今春卒業した兄・智樹(現・トヨタ自動車)や中大時代の92年大会に6区を駆けた父・善之さんら陸上一家で育った末っ子ランナーが、名門を上位進出に導く。

  • 今秋、急成長した太田
  • 今秋、急成長した太田

 エンジが似合う男になった。3年目、主力に名を連ねるどころか、他大学のエースと互角以上の戦いを見せる太田。「昨年までは兄(智樹)始めとした上級生や同期だったり、『誰かが頑張ってくれるだろう』と考えていました。でも、今は『自分がやるんだ』と思えるだけの自信がついた」。チームを引っ張る覚悟が、進化を促した。

  • 早大のエース・中谷雄飛
  • 早大のエース・中谷雄飛

 同期である中谷や千明(ちぎら)龍之佑、半沢黎斗は早大入学前にアジアクロスカントリー日本代表として日の丸を背負ったエリート。一方、全国高校駅伝1区7位など安定して上位で走りながらも、突き抜けた成績のなかった太田は「最初はびびってましたね」と振り返る。

 だが、身近に目標となるライバルがいることで、向上心が芽生えた。なぜ勝てない。どうすれば追いつける。「考えて、挑んで、負けての繰り返し。少しずつでも近づきたかった」。元々ムダのない走りはけがも少なく、2年間の積み重ねでしっかり下地ができた。春先はコロナ禍で実家のある静岡・浜松市で走り込み、飽き性で続かなかった体幹トレーニングも徹底。後半のペースダウンを防ぎ、積極的な走りにつながった。

 1年目から3大駅伝フル出場を果たしたが、今季は大きなストライドを武器にスピードもアップ。一緒に練習する中谷が「時々『来てるな』と危機感を感じる」というほどの速さを身につけ、トラックでも自己記録を更新。太田は「少しずつ結果も出たことで、レースではきつい場面でもスッと攻めるようになった」。伊勢路4区でも従来の区間記録を上回る快走で堅首。速さと強さ、そして絶対に外さない安定感が魅力だ。

  • 早大登録メンバーと1万メートル自己ベスト
  • 早大登録メンバーと1万メートル自己ベスト

 兄・智樹や父・善之さん、姉・優紀さんもランナーという陸上一家の末っ子。3年連続2区を担った兄とは陸上よりも「ゲームの話題が多いですね」。希望区間は特にないというが、花の2区に起用されれば、兄弟で4年連続同一区間出走となる。「チーム目標は3位以内。そこをクリアすれば、来季の3冠も見えてくる」。兄との見えないタスキリレーも力に変えて、名門の意地を見せる。

(太田 涼)

 ◆太田 直希(おおた・なおき)1999年10月13日、浜松市生まれ。21歳。2歳上の兄・智樹の背中を追って陸上を始め、浜名中、浜松日体高、早大と同じ進路をたどる。浜松日体高3年時の全国高校駅伝1区7位。早大では1年時に3大駅伝フル出場を果たし、ここまでの箱根駅伝は2年連続8区を担って1年10位、2年4位。自己記録は1万メートル27分55秒59、5000メートル13分56秒48。170センチ、53キロ。

 ◆早大競走部 1914年創部。箱根駅伝は20年の第1回から出場し、優勝13回。出雲駅伝は優勝2回、全日本大学駅伝は優勝5回。2010年度には学生駅伝3冠を達成した。タスキの色はエンジ。長距離部員は選手32人、学生スタッフ7人。主な競走部OBは日本陸連長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏、東京五輪男子マラソン代表で日本記録保持者の大迫傑(ナイキ)。

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