内村航平、鉄棒専念3戦目で“世界最高”「自分でも驚いている」

男子予選、鉄棒で高得点をマークし、ガッツポーズする内村航平(代表撮影)
男子予選、鉄棒で高得点をマークし、ガッツポーズする内村航平(代表撮影)
鉄棒の演技をする内村
鉄棒の演技をする内村

◆体操 全日本選手権 第2日(11日、群馬・高崎アリーナ)

 男子予選が行われ、種目別の鉄棒は、スペシャリストとして東京五輪を目指す内村航平(31)=リンガーハット=が15・533点で1位通過した。「軽いゾーンを体験した」と、自らも驚く最高の演技を披露した。個人総合は、初優勝を狙う萱和磨(24)=セントラルスポーツ=が6種目合計86・899点で首位発進。3連覇がかかる谷川翔(21)=順大=は合計85・731で4位につけた。男子決勝は13日に行われる。

 内村は一人、異次元の世界にいた。鉄棒専念後3試合目でたたき出した15・533点は、世界を見ても「過去最高点だと思う」と確信。直近3大会の世界選手権金メダリストも余裕で上回り、「うれしいです。率直に。自分でも驚いている。試合であそこまでいいのは初めて出た」と、思わず笑みがこぼれた。

 名前がコールされ、鉄棒の前に立った瞬間「いける」と予感があった。東京五輪金メダルを見据えて投入したH難度の大技「ブレトシュナイダー」から、高難度の離れ技・カッシーナ、コールマンも美しく決めた。「軽いゾーンを久々に体験した。着地して現実に戻った」。自らの予想すら超えた完成度。両腕で力強くガッツポーズを繰り出した。

 今大会から“オールラウンダー仕様”の新調整法を実戦。鉄棒のスペシャリスト初戦となった9月の全日本シニアでは、1種目のみに出場する難しさを痛感し、「1種目だけだと、最初からトップ(ギア)で入れることができないなと感じた」と準備段階に課題があった。今大会は「個人総合をやるような気持ち」と試合までのアプローチを変更。「全体的に刺激が入って鉄棒も動かしやすくなる」とアップで鉄棒だけでなく、全6種目の器具を触り、公式戦で個人総合40連勝してきたリズムを崩さず貫いた。この日も2時間かけて準備。「ここまで予選に合わせられたのは人生初かも。うまく合わせられた証拠なのかな」と手応えをつかんだ。

 自己評価が「65点」と厳しいのは、伸びしろがある証拠。「着地が止められていない。あと、成功させたいって気持ちがまだ強い。もうちょっと余裕をもって演技したい」。決勝では種目別・鉄棒で5度目の優勝がかかる。「もっと期待されると思うので、応えていかないといけない」。“キング”は自らにさらなる試練を課した。(小林 玲花)

 ◆体操男子の五輪代表選考 東京五輪には1か国最大6人まで出場可能。うち団体が4人(個人総合の出場資格も持つ)。東京五輪が1年延期となった影響で、代表選考の基準は白紙となっているが、内村は最大2枠獲得できる個人枠での出場を狙う。

 ◆体操の採点基準変更 五輪周期で4年に1度改正される。17年からは、Eスコア(出来栄え点)重視の採点になり、Dスコア(難度点)が下げられた技が増えた。例えば鉄棒のコールマンがF難度からE難度に変更された。

 ◆ブレトシュナイダー バーを越えながら後方抱え込み2回宙返り懸垂(コバチ)を、2回ひねりながら行う技。14年にアンドレアス・ブレトシュナイダー(ドイツ)が披露し、15年2月にH難度に認定された。

男子予選、鉄棒で高得点をマークし、ガッツポーズする内村航平(代表撮影)
鉄棒の演技をする内村
すべての写真を見る 2枚

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請