【香港カップ】海外競馬通・成田幸穂が香港カップの前哨戦を分析

スポーツ報知

 香港国際競走が12月13日に香港のシャティン競馬場で行われる。小欄ではG1香港カップ(芝2000メートル)に向けたステップレースとして、10月17日のG1英チャンピオンSと11月22日のG2ジョッキークラブCを取り上げたい。

 英チャンピオンS(アスコット競馬場・芝1990メートル=10頭立て)は欧州の中距離王者を決める大レース。今年はアデイブ(セン6歳、英・ハガス厩舎)が優勝した。勝ち時計は2分12秒29(重馬場)。香港カップに出走予定のスカレティ(セン5歳、仏・レニエ厩舎)は勝ち馬から2馬身1/4差の2着、マジカル(牝5歳、愛・Aオブライエン)は差のない3着に入った。

 レースラップを振り返ると、前半800メートルが54秒17、後半800メートルが51秒18という流れ。道中の位置取りを見ても、勝ったアデイブが2番手、2着スカレティが内ラチ沿いの3番手、3着マジカルが中団で、逃げたサーペンタインが4着に残ったことから前残りの競馬だったと言える。また、アデイブは不良馬場の豪G1クイーンエリザベスSでダノンプレミアム(3着)などを相手に約3馬身差で完勝しており、渋った馬場もプラスに働いただろう。

 香港カップへ向けた展望としては、スカレティはG1初挑戦ながら、アデイブやマジカルの他に仏ダービー馬ミシュリフ(8着)、G1インターナショナルSの覇者ジャパン(9着)、G1プリンスオブウェールズS優勝のロードノース(10着)と好メンバーが揃った一戦で地力の高さを示した。あとは道悪馬場での良績が目立つだけに、シャティンの硬い馬場への対応が求められる。マジカルは結果的に位置取りが後ろ過ぎたか。アデイブには水をあけられたが、スカレティとは半馬身の小差。舞台が良馬場のシャティンに替わるのは好材料で、あっさり逆転の可能性も十分だ。

 ジョッキークラブC(シャティン競馬場・芝2000メートル=9頭立て)は現地香港の重要な前哨戦。今年は香港ダービー馬フローレ(セン6歳、香・クルーズ厩舎)が優勝した。内ラチ沿いの3番手追走から最後の直線でエグザルタントを差し切って勝負を決めた。勝ち時計は1分59秒32(良馬場)。

 3/4馬身差の2着にクイーンエリザベス2世CなどG1・5勝の強豪エグザルタント(セン6歳、香・クルーズ厩舎)。2番手からしぶとく伸びたが、勝ち馬の決め手に屈した。なお、同馬は香港カップと同日に行われる香港ヴァーズへ参戦する。

 レースラップは前半800メートルが49秒58、後半800メートルが46秒10。スローペースからの瞬発力勝負で、フローレは好位にいたとはいえ、メンバー中最速となる上がり400メートル22秒81の脚を使った。斤量がエグザルタントより2キロ軽い56キロだったが、内容は完勝と言っていい。

 本番へ向けた展望としては、フローレは地元を代表する有力候補となる。一方、中位から伸び負けて4着のダンシーズウィズドラゴン(セン7歳、香・ファウンズ厩舎)、逃げて最下位9着のタイムワープ(セン7歳、香・クルーズ厩舎)は、前記スカレティやマジカル、日本馬も加わる香港カップでは苦戦を強いられそうだ。

◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月6日(日)16時30分から、ラジオNIKKEI第1「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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