京都は9日、来季の新監督に曹貴裁氏(チョウ・キジェ)氏(51)が就任することを発表した。2019年に湘南で発覚したパワハラ問題による退任以来となるJクラブの指揮。曹氏はクラブを通じ「昨年、自分が起こしてしまったハラスメント行為に関して、深くおわび申し上げます。ハラスメント行為により1年間のS級ライセンス停止を受けたにもかかわらず、このたび、ありがたいオファーを京都からいただきました」とコメント。さらに「ここ京都は自分が生まれ育った町です。そのクラブから一緒に高みを目指していこうと言葉をかけていただいたことはこの上ない喜びです」と意欲を示した。
湘南を退任後、今年3月からは関東2部の流通経大でコーチを務めた曹氏。「この1年で学んだ、スタッフ、選手一人ひとりの気持ちや思いの深い部分まで理解する姿勢を大切に」と見据え、「京都の皆さんとともに、スタッフ、選手全員と一緒にサッカーそのものの楽しさや素晴らしさをとことん追求し、繰り広げるフットボールに歓喜する瞬間をたくさん見せ続ける、これこそが、全身全霊をかけて、成し遂げなければならない最大のミッション」と掲げた。10年を最後にJ1から遠ざかる京都の再建を託され、新たな挑戦を始める。
◆曹 貴裁(チョウ・キジェ)1969年1月16日、京都府生まれ。51歳。洛北高から早大を経て、91年に柏の前身である日立製作所に入団。JリーグではDFとして柏―浦和―神戸でプレーし、97年に引退。2000年に川崎のアシスタントコーチ、04年にC大阪のヘッドコーチを経て05年から湘南へ。ジュニアユース監督、ユース監督、ヘッドコーチを歴任して12年に監督に就任。18年にはルヴァン杯で初優勝を果たした。19年途中に湘南を退任。今年は流通経大コーチを務める。