【巨人】小山翔平が支配下へ向けて戦い抜いた勝負の3年目― 背中を押されたソフトバンク・甲斐の言葉「諦めたらあかん。絶対に誰か見てるから」

スポーツ報知
小山翔平

 愛くるしい“ベビーフェース”に加え、優しい性格が自然と人を集めていたのだろう。小山翔平捕手(24)はいつも誰かに囲まれていて、周囲には笑顔が絶えなかった。

 入団テストを経て17年育成ドラフト6位で巨人に入団し、今年で3年目。支配下登録に向けて勝負の1年を前に、昨オフはソフトバンクの甲斐、ヤクルト・嶋らの自主トレに同行。練習を共にする中で、自分との違いを目の当たりにした。

 「技術とか肩の強さ、経験(の違い)もありますけど、(2人は)なによりも野球がすごい好き。嶋さんはまるで自分がやっていたかのように人の出てる試合を見てるんです。野球中継しか見ないって言ってました。それくらい大好きで、やりたくて仕方ないみたいな。僕も(野球が)好きですけど、そこまでなれてないなぁって」

 中でも育成から球界屈指の捕手にまで成り上がった甲斐の言葉は、深く小山の胸に突き刺さった。甲斐も正捕手になるまでの道のりは、決して順風満帆だった訳ではなかったという。当時はソフトバンクも“捕手大国”。同じ育成入団の小山に、率直な心境を打ち明けてくれたという。

 「『支配下になったばかりの時は1軍に細川さんがいて、高谷さん、鶴岡さんもいた。すごい捕手陣がいて、どこに入れんねん』って思っていたらしいんですよ。とりあえず3番手でもいいから1軍に行くことだけを考えて練習してたと。『今のジャイアンツも似てるかもしれない。諦めたらあかん。絶対に誰か見てるから』っていうのは何度も言われました」

 開幕前の巨人は小林、炭谷、大城の“3本柱”が確固たる地位を築いており、2軍には成長著しい岸田や田中貴(現楽天)、期待のルーキー・山瀬も加入し、競争は熾烈だった。それでも「支配下の人に練習量と気持ちでは絶対負けるな。そこは絶対負けたらあかん」という言葉を胸に、憧れの甲斐と同じモデルのレガースを身につけ、練習でも大声を出して必死に食らいついた。9月6日のイースタン・ヤクルト戦(戸田)では今季限りで引退した五十嵐から公式戦1号を放つなどアピールを続けたが、球団から戦力外通告を受けた。

 全体練習が終わっても最後までキャッチング練習を続けていた努力家。G球場などですれ違う記者へのあいさつを欠かさず、裏方さんへの感謝を口に出して伝える礼儀正しい一面も何度も見た。現役続行を目指して7日に参加した12球団合同トライアウトでは、3打数無安打1四球。再びプロの世界でマスクを被りたい―。その一心で、朗報を待つ。(記者コラム・河原崎 功治)

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