萩野公介、復活V「今が最高に幸せ」…五輪会場で初大会、派遣標準記録上回った

400メートル個人メドレーで2年ぶりの優勝を飾った萩野公介(カメラ・竜田 卓)
400メートル個人メドレーで2年ぶりの優勝を飾った萩野公介(カメラ・竜田 卓)

◆競泳日本選手権 第1日(3日、東京アクアティクスセンター)

 新型コロナウイルスの影響で4月から延期されていた大会が開幕し、男子400メートル個人メドレーで、リオ五輪金メダリストの萩野公介(26)=ブリヂストン=が4分13秒32で2年ぶりの優勝を飾った。今年の東京五輪のために設定されていた派遣標準記録4分15秒24を切り、昨年の長期休養からの復帰以降ではベストタイム。五輪会場で初めてとなる大会で「今が最高に幸せ」と、一時の不振から抜け出しつつある姿を披露した。

 スタミナは底をつきそうになったが、萩野は自分に言い聞かせた。「絶対に気持ちで勝つ」。400メートル個人メドレー決勝。不振で欠場した昨年を挟み、4分13秒32で2年ぶりの頂点に立った。「最近は(4分)二十数秒かかることが多かったのに、それより10秒ぐらい上げることができた。勝てたことを素直に喜びたい」。東京五輪用に設けられていた派遣標準記録を大幅に切り、胸を張った。

 東京五輪の会場で行われる初めての大会は、新型コロナ対策のため無観客となった。リオの王者は、レース前の招集所で泳ぐ意味をかみしめた。「まずは環境に感謝して、本当に今は最高に幸せだなって」。最後に泳いだ長水路(50メートル)のタイムは2月のコナミオープンの4分20秒42。10か月で別人のように体も技術も研ぎ澄ましてきた。

 10月から約1か月間、ブダペストで開かれた短水路(25メートル)の国際リーグ(ISL)に参戦した。普段は松元克央を指導する名伯楽・鈴木陽二コーチが、19年世界選手権で6冠を達成した米国のエース・ドレセルを引き合いに、課題を指摘してくれた。「ドレセルでも力んでないのに、お前の手は力んでるな」。15年に右肘を骨折して以来、「肘を守ろうとして肘から先が固まっていた」という。脱力を意識すると、忘れていた感覚がよみがえってきた。「今は水と仲良く泳げている」と明かす。

 東京ACに足を踏み入れた時、「オオッ」と思わず興奮した。「天井が広くて、プールに光が当たってショーアップされている感じ。レースを忘れて、一観客みたいな感じで入場しちゃった」と軽口も出るようになった。「この記録で代表が決まるとは思っていないが、自信につながる」。まだ完全復活への途上。しかし、かつての苦渋に満ちた表情は消えていた。(太田 倫)

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