◆競泳 ▽日本選手権 第1日(3日、東京アクアティクスセンター)
女子100メートル平泳ぎ決勝で、日本記録保持者の渡部香生子(24)=JSS=が、2016年以来、4年ぶり4度目の優勝を果たした。五輪派遣標準記録2(決勝進出レベルの1分6秒97)を切る1分6秒78をマーク。11月に優勝した日本社会人選手権での1分8秒20を上回るタイムに「まさかここまで出るとは思わなかったし、正直、びっくりしてるしうれしい」と笑顔がはじけた。
伸びのある大きな泳ぎを見せ「感触はけっこう、最近の中では一番いい感じ」と振り返った。その要因として「シンプルに夏以降、しっかりスイッチが入って練習を積めてきたことがこのタイムだと思う」。東京五輪会場でのレースについては「会場が広いので圧倒されて緊張したけど、その分、ぴりっとした気持ちでレースに臨めた」と語った。
19年夏に左肘を骨折して手術。リハビリを経て復帰への道のりでつらい時期もあったが、復調の兆しを見せた。コロナ禍では「4月はほとんど練習ができていなくて、春から夏の間は1年延期になったことで、どこかで心の中でまだ大丈夫という気持ちや、やらないとという葛藤があった」という。その中で「時間はあると思っていてもすぐに選考会がくると思って自分で切り替えないといけないなと思ってスイッチが入った」。
五輪が1年延期になったことで「一回は気持ちが落ちて」と渡部。日本選手権での復調Vを自信に変え、「切り替えたのは間違いなかったと思う。メインは4月(の代表選考会)だと思って、これでしっかり気持ちを持って臨んだ行きたい」と意気込んだ。