J1北海道コンサドーレ札幌が2021年、2人の若きDFを加え、ベテランの穴を埋める。1日、DF石川直樹(35)とMF早坂良太(35)が今季限りで現役を引退することが発表された。17年からプレーし、J1定着に貢献してきた2人は欠くが、この日までにJ2群馬DF岡村大八(23)の獲得合意にこぎ着けた。またJFLホンダFCに期限付き移籍中のDF中村桐耶(20)も、来季は札幌に復帰する方向。顔ぶれは変わるが、躍進への体制作りは着々と進んでいる。
功労者2人の引退をマイナスにはしない。21年、将来性豊かなDFを加え、札幌がJ1での躍進を狙う。石川と早坂の現役引退が発表された1日だが、クラブは歩みを着実に進めていた。クラブ幹部はこの日までに「岡村の獲得に関してはほぼ大丈夫。近々、仮契約を結ぶ予定」と現状を明かした。J複数クラブによる争いを制し、札幌が来季新戦力第1号の獲得に成功した。
岡村は今季、J2群馬で開幕から37試合全てにセンターバックとしてフル出場している。183センチ、82キロの恵まれた体を生かした対人の強さに加え、スピードもあり、受けた警告も1枚のみ。DFとしてJ2屈指の能力を示してきた。同幹部は「うちの選手でいうとタイプ的には金眠泰に近い。カウンターを受けて1対1になった時なども1人で対応できる、うちには足りないタイプの選手」と高く評価。10月から交渉を進めた末、合意にこぎ着けた。
若き生え抜きも帰ってくる。19年にU―18から昇格後、同年8月からJFL・ホンダFCに期限付き移籍している中村=同左=に関し、同幹部は「本人の意思を尊重するが、長い間、外でやってきたので。来年は札幌で勝負して欲しいと考えている」と話した。身長186センチと高さに優れ、石川と同じ左利きのセンターバックというJでも貴重な存在は、復帰すれば大きな利となる。獲得への興味を示しているクラブも複数あるため、今後の交渉次第にはなるが、札幌は必要戦力と考え、プロ3年目の来季は赤黒のユニホームを着させる方向でいる。
ともに17年に加入しJ1定着に高く貢献したベテラン2人は、来季いない。穴は小さくないが、それを補うための組織作りは進行している。
◆岡村 大八(おかむら・だいはち)1997年2月15日、東京都生まれ。23歳。群馬・前橋育英高から立正大へ進み、19年に当時J3の群馬入り。同年8月からJFLのテゲバジャーロ宮崎へ期限付き移籍。今季、群馬に復帰した。J2通算37試合出場1得点、J3は3試合出場無得点。JFL9試合出場無得点。183センチ、82キロ。右利き。
◆中村 桐耶(なかむら・とうや)2000年7月23日、むかわ町生まれ。20歳。札幌U―12から苫小牧のASC北海道U―15を経て、16年に札幌U―18入り。18年3月に2種登録され、4月18日のルヴァン杯磐田戦でJ公式戦初出場。19年にトップ昇格し、同年8月からJFLホンダFCに期限付き移籍。J1出場歴はなし。JFLは通算17試合に出場。186センチ、78キロ。左利き。