スーパーGT最終戦 山本尚貴、牧野任祐組が最終ラップの最終コーナーで劇的V

GT500クラスで年間チャンピオンに輝いたレイブリックの(左から)山本尚貴、高橋国光総監督、牧野任祐
GT500クラスで年間チャンピオンに輝いたレイブリックの(左から)山本尚貴、高橋国光総監督、牧野任祐
大逆転で最終戦を制したレイブリックNSX―GT
大逆転で最終戦を制したレイブリックNSX―GT

 自動車レースのスーパーGT最終戦は29日、静岡・富士スピードウェイ(1周4・563キロ)で決勝が行われ、GT500は予選7位からスタートを切ったホンダのレイブリックNSX―GT(山本尚貴、牧野任祐組)が最終ラップの最終コーナーで劇的V。逆転でシリーズチャンピオンに輝いた。GT300は最終戦で2位に入ったリアライズ日産自動車大学校GT―R(藤波清斗、J・P・デ・オリベイラ組)が総合優勝を飾った。

500メートル長かった まさに劇的、なんとも残酷な幕切れだった。トップを走ってきたキーパー・トムスGRスープラを必死にドライブする平川が最終ラップの最終コーナーを抜けようとしていて、誰もが「このまま優勝してチャンピオンだな」と思った瞬間だった。急にスローダウンして約2秒後方を走っていた山本に抜かれてしまった。信じられない幕切れは、土壇場で山本に2年ぶり2度目、牧野に初めての総合優勝をもたらした。

 「彼ら(キーパー・トムス)のことを思うと表立っては喜ぶことはできませんが、レースはガチンコです。チェッカーを受けるまで何があるのか分からないのもレースなんです。最後まで諦めないで良かったと思います」と山本。

◇花道飾った!

 さらに「(トップのマシンが)スローダウンした瞬間は絶対に『ガス欠だな』と思いました。『やった』という気持ちはありましたけど、その気持ちも一瞬でした。自分にも同じことがあるかもしれない。そう思うと残り500メートルが心配になりました。あれほど長く感じた500メートルはありませんでした。案の定、自分のクルマもビクトリーランで止まってしまった」と興奮気味に続けた。

 山本にはどうしても勝ちたかった理由があった。チームを長年、サポートしてくれたスタンレー電気のブランド名「レイブリック(自動車用ライト)」が来年3月をもって終了する。「レイブリック」の名前でレースを走るのは今年で最後。「レイブリックさんの看板を背負ってシーズンを戦ってきました。結果を残したい。花道を飾りたいと意気込んで臨みました。最後にふさわしいレースができたと思います」と喜びをかみ締めた。

 パートナーの牧野はチェッカーフラッグの瞬間、泣き崩れてしまった。「正直、想像していた結果ではなかったので、どういう感情だったのか分かりませんでした」。今年で80歳になる高橋国光総監督も同じ気持ちだったという。長年、日本のレース界を引っ張ってきて、“国さん”の愛称で誰にでも親しまれている名監督は「大変なレースでした。2人のドライバーに感謝します。優勝もできたし、チャンピオンにもなれた。自分は本当に運のいい男だと思います」と静かに振り返っていた。

◇異例シーズン

 今シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大によって日程が大幅に変更になるなど異例のシーズンだった。そんな激動の一年の締めくくりに待っていた劇的な幕切れ。ファンも酔いしれたに違いない。

 ◆山本 尚貴(やまもと・なおき)1988年7月11日、栃木・宇都宮市生まれ。32歳。6歳でカートを始め、2006年に鈴鹿サーキットのレーシングスクールに入校。F3を経て10年にスーパーフォーミュラ、スーパーGTに参戦した。昨年は最高峰のF1シリーズの日本GPでフリー走行を行った。

 ◆牧野 任祐(まきの・ただすけ)1997年6月28日、大阪市生まれ。23歳。2015年に鈴鹿サーキットのレーシングスクールを卒業。スカラシップを獲得。17年に欧州F3に参戦。18年には欧州F2に参戦して第10戦(イタリア)で初優勝を飾った。19年からスーパーフォーミュラ、スーパーGTに参戦している

GT500クラスで年間チャンピオンに輝いたレイブリックの(左から)山本尚貴、高橋国光総監督、牧野任祐
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