【巨人】阿部慎之助の眼 若手よシンプルに強く振れ!投げろ!まだその目標のレベルに達していない…フェニックスL終了 来季へ総括

スポーツ報知
フェニックス・リーグを打ち上げた阿部2軍監督(上から杉内コーチ、村田コーチ=カメラ・越川亘)

 若手主体のみやざきフェニックス・リーグが29日に終了。チームは12月1日からオフの自主トレ期間に入る。巨人のファームは28日のソフトバンク戦で1―11と大敗したばかりだ。巨人・阿部慎之助2軍監督(41)がファームの現状を語る連載「阿部の眼」の第5回。同リーグの戦いを総括し、ヤングGたちに必要なことは何かを語った。

 フェニックス・リーグでは最初、選手に「各自で課題を明確にするように」と伝えていました。自分で考えなさいと。しかし、試合を見ていると、自分たちで立てたテーマに沿って全くできてない、そのレベルに達していない。それ以前の話だと判断し、途中からはこちらからリクエストを出すように変えました。

 投手には「強い球を投げろ」と。本当に基本的なことですが、それでも投手は力んで余計な力が入ってしまう。もう、たくさん投げてトレーニングを積んでいくしかありません。古くさいかもしれないですが、今のファームの選手はある程度、練習量をこなして自信をつけていくことも必要なんだなと。今の時代はトレーニング方法も進化していますが、そういう部分も並行してやっていかないといけないと感じています。

 打者も投手と同様でシンプルに「前に飛ばせ」と言っています。テーマ設定でつべこべ言う前に、投げてきた球を一撃ではじき返しましょうと。それができて初めて次のステップです。小難しい、レベルの高い設定をする若手が多い。ファウルが多い選手もいるので、技術と集中力を今後高めていってほしいと思います。そのサポートをしっかりとしていきたいです。

 日本シリーズではソフトバンクの打者が一撃で仕留めているのに、巨人は1軍の高いレベルの打者ですらミスショットが多かったと感じました。2軍もそうです。とにかく力をつける練習方法を一緒に考えながらやりたいと思います。

 バットを振らないと分からないこともあるし、打席にはボールを見に行っているわけではない。打ちに行っているわけです。強く振れないのに形を気にしてもしょうがない。とにかく強く振って、強い打球を打つことです。難しいことを言ってもそう簡単にできない。目標設定をシンプルにしてあげるのも指導者の役割かと思っています。

 リーグ最終戦のこの日は、ミーティングで選手に3点伝えました。まず、原監督がコロナ禍で「体のメンテナンスの重要性」をおっしゃっていましたが、それは1軍選手の話です。ファームの若手は立場が違います。ちゃんとメンテナンスするところはしないと1軍に上がれませんが、とにかく練習するのが大事です。そして、このオフ、やったかやらないかで差がつくよ、と。

 強制してやれとは言いません。なぜなら全員が個人事業主だからです。結果が出なかったらクビになる。頑張れば1軍に行ける。自分次第です。あとは用具にもっと興味を持ってくれということです。バットやグラブ、スパイク。いろんな選手の物を使ってみるのが良いと思います。そして、オフも野球のことは一日たりとも忘れない。気分転換も必要ですが、野球のことは常に頭に入れて過ごしてほしい。コロナの影響でどうなるかはわかりませんが、可能であるならば、キャンプではファンの皆さんも見守る中で厳しい練習を積んでいけたらと思います。(巨人2軍監督)

 ◆フェニックス・リーグでプレーした巨人の主な選手 先発は新人の太田、井上に加え1軍でも登板した堀岡や古川、横川ら。リリーフでは投打の二刀流に挑戦中の戸根、今季育成から支配下を勝ち取った2年目右腕の沼田や育成の山川、田中優、谷岡らが登板した。打線は立岡と、阪神に移籍する山本が主に1、2番。中軸はウレーニャや香月、八百板、新人の菊田や伊藤が担った。キャンプから阿部2軍監督の厳しい指導を受けてきた増田陸や松井もスタメンに名を連ね、先発マスクは主に“慎之助2世”の山瀬がかぶった。

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